日本とイエメンの関係

日本とイエメンの関係

日本とイエメンの関係について、両国間の歴史、現状、外交使節、貿易関係などを詳しく解説します。

両国の比較

歴史

日本は、1990年5月22日のイエメン共和国成立（統一）を翌日に国家承認し、同月25日に外交関係を樹立しました。それ以前は、北イエメンと南イエメンの両国をそれぞれ承認していました。1990年7月にはアデンに出張駐在官事務所を開設しましたが、イエメン内戦などの情勢不安により1997年12月に閉鎖されました。一方、日本では1990年11月にイエメン・日本友好協会が設立されています。

2011年のイエメン騒乱時には、在イエメン日本国大使館が一時閉鎖されましたが、同年12月に業務を再開しました。しかし、2015年のイエメン内戦勃発により再び閉鎖され、現在は在サウジアラビア日本国大使館がイエメンの大使館業務を兼轄しています。2015年の時点で、在留邦人は中国海軍などの協力も得てイエメンから脱出しています。

現状

イエメンはアラブ最貧国であり、紛争が継続している地域です。イエメン全土に「レベル4：退避勧告」の危険情報が発出されており、観光客や在留邦人の数は限られています。2007年から2011年にかけて首都サヌアで、2009年にはアデンで日本文化週間が開催されましたが、これは情勢が悪化する以前の出来事です。

イエメンの紛争は、21世紀最悪の人道危機とされ、日本は国際会合を通じてイエメンへの人道支援を継続的に行っています。2017年4月には約6200万ドル、2018年4月には約3900万ドル、2019年2月には約5280万ドル、2020年6月には約4120万ドルの人道支援を表明しており、医療や教育分野への貢献は大きいです。また、経済援助として債務の繰り延べや返済免除も実施しています。

2017年にはエジプト・カイロで日イエメン外相会談が開かれ、停戦、和平、復興、人道支援について協議が行われました。日本はニューヨークで開催されるイエメン人道状況会合にも積極的に参加し、さらなる支援を表明しています。

貿易関係

イエメンの2019年の対日輸出額は314.17億円に上った一方、対日輸入額は4.61億円と、イエメン側の黒字となっています。これは、イエメンが産油国であり、日本へ石油を輸出していることや、コーヒーや魚介類などの食品も輸出していることが理由です。一方、日本からは機械類や自動車が輸入されています。

外交使節

駐イエメン日本大使

（現在、在サウジアラビア日本国大使館が兼轄）

駐日イエメン大使

マルワン・アブドッラー・アブドゥルワッハーブ・ノーマン（2007～2011年）
（臨時代理大使）タレック・アブドゥラティフ・アブドゥラ・モタハール（2011～2013年）
（臨時代理大使）ハーテム・モハメド・フセイン・ハーテム（2013～2014年）
（臨時代理大使）サミル・モハメッド・ハムッド・カミース（2014～2016年）
サミル・モハメッド・ハムッド・カミース（臨時代理大使と同一人物、2016～2019年）
（臨時代理大使）バシール・モハメッド・アリ・カシム（2019～2022年）
アーデル・アリ・アハマド・アル・スナイニー（2022年～）

脚注

外務省: イエメン共和国（Republic of Yemen）基礎データ

関連項目

日本の国際関係
在日イエメン人
駐日イエメン大使館

外部リンク

外務省: イエメン共和国（Republic of Yemen）基礎データ

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