日本とウガンダの関係

日本とウガンダは、1962年にウガンダがイギリスから独立したことを受け、国交を樹立しました。しかし、当初はウガンダ国内の情勢が不安定であり、地理的にも遠く離れていたため、両国間の交流は限定的でした。在ウガンダ日本大使館は、当初、在ケニア日本国大使館が兼轄していました。

歴史

1986年、ヨウェリ・ムセベニ氏が大統領に就任し、ウガンダの政治情勢は安定に向かいました。日本はムセベニ政権を承認し、両国関係は新たな段階に入りました。1997年には、ウガンダの首都カンパラに在ウガンダ日本大使館が開設され、両国間の外交関係が強化されました。一方、ウガンダは1973年に東京に駐日ウガンダ大使館を設立しましたが、1987年に財政難により一時閉鎖されました。その後、1994年に大使館業務を再開しています。

外交

ウガンダ要人の訪日

ムセベニ大統領は、在任期間が35年以上に及ぶことから、複数回にわたり日本を訪問しています。2008年にはアフリカ開発会議（TICAD）のために訪日し、当時の福田康夫首相と首脳会談を行い、安全保障理事会改革について話し合われました。2013年と2019年にもTICADのために訪日し、安倍晋三首相と首脳会談を行い、両国間の協力関係について協議しました。2015年には公式実務訪問賓客として訪日し、安倍首相との間で共同声明が発出され、両国関係の一層の強化が確認されました。また、首脳会談の場では、カンパラ立体交差建設・道路改良計画のための円借款に関する書簡の交換も行われました。

その他、2018年には、ウガンダのサム・クテサ外相が訪日しています。クテサ氏は、第69回国連総会議長を務めた経験があり、2014年にも国連総会議長として訪日し、当時の岸田文雄外務大臣と会談しました。

日本要人のウガンダ訪問

日本の総理大臣によるウガンダ訪問は実現していませんが、2016年のムセベニ大統領再任時の大統領就任式には、田中和徳衆議院議員が総理特使として派遣されました。2018年には、佐藤正久外務副大臣がウガンダを訪問し、日本の円借款で建設されたナイル架橋の完工式に出席しました。

経済関係

日本は、ウガンダにとってイギリス、アメリカに次ぐ主要な援助国であり、2017年までに無償資金協力や円借款を含め、累計1200億円以上の援助を実施しています。主な円借款事業としては、カンパラ立体交差建設・道路改良事業、ナイル架橋建設事業、カンパラ首都圏送変電網整備事業などが挙げられます。無償資金協力は、水資源、平和構築、運輸交通、医療・衛生、通信など、多岐にわたる分野で実施されています。また、ケニア、タンザニア、ルワンダ、ブルンジなどの周辺国との連携した援助も行われています。

貿易関係では、2018年の日本の対ウガンダ貿易は、輸出が220.4億円に対し、輸入が9.16億円と、日本の大幅な黒字となっています。主要な輸出品は自動車や鉄鋼などの工業製品で、輸入品はコーヒーやゴマなどです。ウガンダ産コーヒー豆の輸入量は増加傾向にあり、コーヒー供給国としての重要性が増しています。

日本企業のウガンダ進出も、ウガンダの経済成長とともに進んでいます。2016年には、ウガンダに拠点を置く日系企業が1年間で約2倍に増加しました。大阪に本社を置くサラヤ株式会社は、ウガンダに進出し、手指消毒剤の製造拠点を置いています。

文化交流

日本は文化無償協力として、マケレレ大学への印刷機材の供与や、ウガンダ国立競技場への体育機材、ウガンダ国立文化センターへの照明・音響機材、ウガンダ教育省への理科実験機材の供与などを行っています。マケレレ大学は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、岡山大学、福井大学などと大学間交流を行っています。

スポーツ分野では、プロボクサーのオケロ・ピーター選手が、日本人として初めて世界ヘビー級王座に挑戦しました。また、2020年東京オリンピックのウガンダ代表だったセムジュ・デビッド選手も、プロ転向後の2024年より日本で活動しています。

外交使節

駐ウガンダ日本大使
駐日ウガンダ大使

参考文献

外務省: ウガンダ共和国（Republic of Uganda）基礎データ
吉田昌夫、白石壮一郎(著・編)『ウガンダを知るための53章 (エリア・スタディーズ) 』2012/1/11

外部リンク

在ウガンダ日本国大使館（日本語）
在ウガンダ日本国大使館（英語）
駐日ウガンダ大使館（英語）

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