日本とタジキスタンの関係

日本とタジキスタンの関係

日本とタジキスタンの関係は、1991年のタジキスタンの独立承認と1992年の外交関係樹立から始まりました。地理的に離れた両国ですが、長年にわたり様々な分野で交流を深めています。

歴史

1991年12月28日、日本はタジキスタンを国家として承認しました。その後、1992年2月2日に外交関係が樹立されました。2002年1月16日には在タジキスタン日本国大使館（駐在官事務所）がドゥシャンベに開設され、2007年11月28日には東京に在日タジキスタン大使館が開設されました。

両国間の交流において、悲しい出来事もありました。1998年7月20日、タジキスタン内戦の和平活動に参加していた国連タジキスタン監視団の政務官、秋野豊氏が武装集団の襲撃により殉職されました。秋野氏の遺志を継ぎ「秋野豊ユーラシア基金」が設立され、ドゥシャンベの国際連合開発計画タジキスタン事務所には、秋野氏を含む国連タジキスタン監視団犠牲者の慰霊碑が建立されています。2018年には、没後20年シンポジウムが開催され、河野太郎外務大臣（当時）が秋野氏の和平構築への貢献を改めて称えました。

また、同じ1998年8月には、キルギスで発生した「キルギス日本人誘拐事件」において、ウズベキスタン・イスラム運動（IMU）が国境を越えて活動していることが判明しました。この事件では、当時の在ウズベキスタン日本国大使館参事官であった高橋博史氏が、タジキスタンの協力を得て武装勢力と接触し、10月に邦人鉱山技師が解放されました。

要人往来

両国首脳の往来も活発に行われています。タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領は、2001年5月、2003年3月、2018年10月に訪日し、小泉純一郎首相、安倍晋三首相（いずれも当時）と首脳会談を実施しました。会談では、アフガニスタン問題、北朝鮮核問題、安保理改革などの国際情勢について意見交換が行われました。また、2001年には「日本国とタジキスタン共和国の友好と協力に関する共同声明」、2018年には「日本とタジキスタン共和国との間の新たなパートナーシップの一層の深化及び拡大に関する共同声明」が署名され、経済、科学技術、教育、人材育成、文化など幅広い分野で協力関係を強化する方針が確認されました。

日本側からは、2015年10月に安倍晋三総理大臣（当時）がタジキスタンを訪問し、更なる支援や交流について話し合われました。また、秋野豊氏の慰霊碑に献花も行われました。

経済・文化

経済面では、日本はタジキスタンに対して大幅な貿易黒字を記録しています。2018年の貿易額は、対タジキスタン輸出が21.7億円、対タジキスタン輸入が1.6億円です。主な輸出品は電気機器や自動車であり、主な輸入品は植物性原材料などです。

日本はタジキスタンの主要な援助国の一つでもあります。2018年までの累計経済援助額は440億円を超え、アメリカ、スイス、ドイツに次ぐ規模となっています。日本は、タジキスタンの市場経済化促進のため、国際協力機構（JICA）を通じて技術協力や人材育成などの支援を行っています。

文化面では、空手道場や柔道場の整備、大学における日本語教育の機材整備など、日本からの支援が行われています。タジキスタンでは、日本は先端技術や武道の国として好意的に認識されています。しかし、近年は中国や韓国の存在感が増しており、日本との経済的・文化的関係が希薄なため、日本語学習者の数は限定的です。

外交使節

駐タジキスタン日本大使
駐日タジキスタン大使

参考文献

タジキスタン共和国（Republic of Tajikistan）基礎データ　外務省

関連項目

日本の国際関係
* 在日タジキスタン人

外部リンク

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