ドゥシャンベ

ドゥシャンベ (Душанбе)

ドゥシャンベはタジキスタン共和国の首都であり、ペルシア語に由来する名称は「土曜日」の意味を含んでいます。この名前は、かつての月曜日の市場が開かれた村に由来しており、急成長を遂げた背景があることを示しています。かつての名称であるスターリナバードは1961年まで使用され、その名は「スターリンの町」という意味でした。

歴史

この地域の定住の歴史は古く、紀元前5世紀の遺跡も見つかっていますが、19世紀までは村としてしか存在していませんでした。ロシア革命後、ボリシェヴィキの影響が及ぶ中、タジク人とウズベク人の反革命軍の拠点がこの地に位置しました。特に、ブハラ・アミール国の最後のアミール、アーリム・ハーンがここに逃れたことが有名です。1922年、ドゥシャンベは赤軍に制圧され、1925年には公式に町へと昇格し、タジク自治ソビエト社会主義共和国の行政府が設置されました。

中央アジアのソビエト連邦の民族境界による再編成により、1929年にはタジク・ソビエト社会主義共和国の首都として名を「スターリナバード」に改めました。しかし、1961年にニキータ・フルシチョフによるスターリン批判の影響でドゥシャンベの名前に戻されました。

ソ連時代、ドゥシャンベは、綿花と絹の生産地として重要な役割を果たし、多くの人々が移住してきました。1990年には、アゼルバイジャンの反アルメニア暴動の影響でドゥシャンベ暴動が発生し、南コーカサスと中央アジアにおける民族主義運動が高まりました。1992年から始まったタジキスタン内戦では、市内のインフラが大きな打撃を受けましたが、現在は近代化が急速に進んでいます。

民族構成

内戦前はロシア人が多数を占めていましたが、時代とともに状況は変化しました。1959年の統計では、人口のほぼ半数をロシア人が占めていましたが、1989年にはタジク人が逆転し、内戦後にはロシア人の数が大幅に減少しました。2010年にはタジク人の割合が89.50%に達し、地域の民族構成が大きく変わりました。エモマリ・ラフモン大統領の民族主義政策の影響で、タジク語が共通語として重視されています。

気候

ドゥシャンベは地中海性気候に属し、中央アジアの他の都市に比べて降水量が多いですが、夏は高温で乾燥しています。冬季は周囲の山脈によってシベリアからの寒気が緩和され、比較的穏やかです。

経済

経済面では、近郊には豊富な鉱脈があり、ドゥシャンベは綿織物で特に有名です。また、シルクや機械、電気製品などの生産も行われています。

交通

市内交通は主にトロリーバスが利用されており、プリペイド式のICカードによる乗車システムが導入されています。ドゥシャンベ空港もあり、近年、施設の近代化が進められています。

観光

観光名所としては、ハジ・ヤコブ・モスクや考古民族博物館、国立タジキスタン総合博物館などがあり、多くの客を迎えています。

また、ドゥシャンベには国際的なつながりも持ち、ザンビアのルサカや、イエメンのサナア、アフガニスタンのマザーリシャリーフなどと姉妹都市の関係を築いています。

近年のドゥシャンベは、歴史的な背景と文化を背負いながら、近代化の波に乗り、多様な人々が共存する魅力的な都市に成長しています。

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