日本のモスクの歴史と現状
日本国内には、さまざまな場所にモスクが存在しています。これらのモスクは、日本国内に住むムスリムのための重要な礼拝施設であり、その歴史は1935年に遡ります。この年、神戸に初めて建設された神戸モスクは、インド系のムスリムたちによって建設されました。この出来事は、日本におけるイスラム文化の受容の始まりを象徴しています。
1936年には
名古屋モスクが設立されましたが、これは後の
名古屋モスクとは関係がない別の施設でした。さらに、1938年には
東京市内に東京回教礼拝堂、通称東京モスクが開堂しました。残念ながら、
名古屋モスクは戦災によって焼失し、その後再建されることはありませんでした。
戦後、日本のイスラム界は新たな展開を見せます。特に、
インドネシアの
大使館が目黒区に設置され、そこに礼拝所が開放されることで、日本に住むムスリムたちが集う場所が確保されました。さらに、
サウジアラビアのアブドラ国王からの寄付を受けて、イスラミックセンター・ジャパンが建設され、国内のモスクは1980年代前半には東京に3ヶ所、神戸に1ヶ所の合計4ヶ所にまで増えました。
しかし、1990年代のバブル経済期になると、海外から日本に職を求めたムスリムが急増し、これに伴って新たなモスクが各地に建設されるようになります。これらのモスクは、従来の宗教施設としての外観を持たないこともあり、時にはコンビニエンスストアや工場、ビルなどの改装によって設置されています。これにより、モスクはますます身近な存在となり、多様な文化が共存する場としての役割も果たしています。
モスクの一覧
日本国内にあるモスクのリストは、
文化庁文化部宗務課が発行した『宗務時報』No.119に掲載されており、2014年11月時点の情報が主に参照されています。これにより、地域ごとのモスクの存在や、どのようにムスリム社会が拡大しているかを把握することができます。
結論
このように、日本におけるモスクの歴史は短いものの、急速に変化し、発展してきました。宗教的な役割だけでなく、地域社会における文化交流の場としても機能しているこれらのモスクは、今後さらに増加していくことでしょう。
日本のイスラム社会がどのように発展していくのか、今後の動向に注目が集まります。
参考文献
- - 「宗務時報 No.119」(PDF)、文化庁文化部宗務課、2015年3月。
関連項目