日本の人

アルバム『日本の人』

『日本の人』は、1991年7月19日に発売されたHISというユニットのスタジオアルバムです。このユニットは、音楽界で多様なスタイルを持つアーティスト、細野晴臣、忌野清志郎、坂本冬美の3人によって構成されています。

このプロジェクトは、1990年に始まりました。特に、細野がローリング・ストーンズ来日時に忌野を同行者として指名したことが、彼らの関係のきっかけとなりました。その際の出来事は「月刊プレイボーイ」にも記録されており、音楽的なコラボレーションの可能性を示唆していました。さらに、東芝EMIのアーティストたちによる「ロックの生まれた日」というライヴイベントが1990年4月に開催され、ここでSMIという形で忌野、三宅伸治、坂本が集結しました。

HISは、RCサクセションの活動が休止していた忌野清志郎が新たに始めた音楽プロジェクトであり、ロックと演歌という異なるジャンルから集まった才能が織りなす新たな音楽が話題となりました。このユニットは、特に10代や20代など若いロックファンの心をつかみ、アルバム発売から1ヶ月で10万枚を売り上げるなどの成功を収めました。また、年末までには30万枚を突破し、その人気は広がっていきました。

アルバムリリース後、メンバーはテレビ出演などのプロモーション活動を行いましたが、ライブ活動は控えられました。しかし、2005年には再び集結し、坂本の新曲シングルを発表。さらに2006年にはライヴイベントにも登場しました。2006年1月25日にはこのアルバムが24ビット・リマスタリングによって再発売され、音質の向上が図られました。

その後、2016年12月14日には坂本冬美のデビュー30周年を記念し、ユニバーサルミュージックからSHM-CDとアナログ盤として再々発売が実現しました。SHM-CD版には新たにボーナストラックも収録されています。

収録楽曲

アルバムには、HISのオリジナル曲とともにさまざまな楽曲が収められています。たとえば、オープニングトラックである「HISのテーマ」や、忌野清志郎による「パープル・ヘイズ音頭」などが含まれています。また、「夜空の誓い」や「逢いたくて逢いたくて」などの先行シングルも収録されています。これらの曲は、各メンバーの独自のスタイルを反映しつつ、HISというユニットの音楽的な幅を広げています。

さらに、特定の楽曲には忌野の独自の日本語詞が添えられており、原曲の魅力を日本的にアレンジし直して音楽の新たな思いを込めています。「日本の人」という曲は、その一例であり、細野とのコラボレーションによって生まれた名曲です。

このようにアルバム『日本の人』は、異なるジャンルから集まった実力派アーティストが一つのユニットとして結成された結果、リスナーに多様な音楽体験を提供する作品となっています。音楽業界においてもその影響は今も色あせることがなく、リリースから数十年が経った今でも色鮮やかに語り継がれています。

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