逢いたくて逢いたくて

曲の概要

「逢いたくて逢いたくて」は、日本の歌手・園まりが歌う19枚目のシングルで、1966年にリリースされました。作詞は岩谷時子、作曲は宮川泰が手掛けたこの楽曲は、瞬く間に大ヒットとなり、園まりの代表的な楽曲の一つとして知られています。リリースからすぐに人気を集め、同年6月には同名の映画版も公開され、園まり自身が主演を務めました。この映画は多くの観客を惹きつけ、その後の歌謡映画にも影響を与えました。

歌の背景

「逢いたくて逢いたくて」は、実は「ザ・ピーナッツ」の楽曲「手編みの靴下」のリメイク版です。元の曲は1962年にリリースされましたが、当時はヒットしませんでした。この曲は平野愛子の「港が見える丘」がベースとなっており、岩谷時子が新しい歌詞を付け加えたことで再び世に出ることとなりました。このように、音楽の歴史はリメイクやアレンジによって新たな命を吹き込まれることが少なくありません。

売上と影響

1968年には、この楽曲の累計売上が70万枚に達したと報告されています。この数字は、その人気の高さを示しており、日本の歌謡界における重要な作品であることを証明しています。多くのアーティストがこの曲をカバーし、現代の音楽シーンでもその影響が見られます。坂本冬美や中森明菜、石川さゆりといった著名なアーティストたちがこの曲を自らのアルバムに取り入れており、それぞれのスタイルで新たな魅力を引き出しています。

映画版

この楽曲を基にした映画は1966年6月1日に日活系で公開され、園まりが主演を務めました。物語は、園まりが演じる学生・道子がひょんなことから歌手の代役を務めることになるという内容で、道子自身が再び園まりの替え玉となるユニークな構成になっています。共演には渡哲也や、園が所属していた「スパーク3人娘」と呼ばれる歌手たちも登場し、当時の豪華なキャストが揃いました。これにより、映画は観客に大きな支持を得ることができました。

スタッフとキャスト

本作の企画を手がけたのは横山弥太郎、脚本には白坂依志夫と中野顕彰が名を連ねています。監督は江崎実生、撮影は横山実が担当しました。この映画には数々の役者が出演し、道子役を演じたのは園まり、相手役には渡哲也がキャスティングされました。さらに、助演には中尾ミエや伊東ゆかりなども出演し、視覚的にも楽しい作品となっています。

影響を与えたタイアップ

映画はエースコックと松坂屋の2社とタイアップしており、劇中にエースコックの商品が登場します。特に、道子がエースコックが提供していたテレビ番組に出演するシーンがあり、音楽業界の結びつきが感じられます。また、松坂屋の屋上がコンサート会場として使用されたことで、ファンの記憶に残るアイコニックなシーンが生まれました。

現代に受け継がれる名曲

「逢いたくて逢いたくて」はオムニバス映画『歌謡曲だよ、人生は』でも取り上げられるなど、現代においてもその影響力は健在です。多くのアーティストにカバーされ、新たな世代のリスナーにも親しまれることで、この楽曲の美しさとメッセージは時代を超えて引き継がれていくことでしょう。

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