日本の末日聖徒イエス・キリスト教会

日本の末日聖徒イエス・キリスト教会とその活動

末日聖徒イエス・キリスト教会（通称：モルモン教）は、20世紀初頭にアメリカ・ユタ州ソルトレイクシティから日本に伝来し、その後全国に広まりました。文化庁の『宗教年鑑』では、同教会は他のキリスト教系新宗教と共に「新教」の分類に入っており、信者数は平成29年（2017年）時点で126,500人に達し、日本基督教団の信者数を上回ることで、実質的に日本最大のプロテスタント教団となっています。また、63の家族歴史センター、232のワードおよび支部、300近くの集会所も存在します。

宣教師の活動と地域貢献

日本における末日聖徒イエス・キリスト教会の広がりには、宣教師の積極的な活動が大きな役割を果たしています。初期の頃は英語圏からの派遣者が中心でしたが、近年では日本人や他国の宣教師も活動しています。宣教師は、「専任宣教師」「夫婦宣教師」「奉仕宣教師」の3つのカテゴリに分かれ、専任宣教師は原則として18歳から25歳の健康な男性、19歳以上の女性が任命されています。彼らは日本各地で布教を行い、男性は2年間、女性は1年半の間活動します。

宣教師の活動の一環として地域貢献も重要視されており、無料の英会話教室「GO-EIGOミッションスクール」が運営されています。これらは日本各地の教会の施設を活用して行われ、参加者は3人から10人ほどのグループに分かれて教えを受けます。授業の前後には宣教師による簡単な祈りが行われることもありますが、改宗や入信を強制することはありません。

日本国内の神殿

末日聖徒イエス・キリスト教会の特徴の一つは、その「神殿」と呼ばれる特殊な建物です。信者はこの神殿で教えを学び、礼拝を行います。また、永遠に結婚する際の儀式も神殿で行われます。2024年時点で日本国内には4つの神殿が存在し、2023年10月の総大会では5番目の大阪神殿の建設が発表されました。

日本東京神殿

1980年に奉献された日本東京神殿は、同教会がアジアで初めて建設した神殿でもあります。1975年に起工し、1980年に奉献され、以降改修工事を経て2017年に再奉献されました。新しい家具や調度品が取り入れられ、特に和のデザインが反映されています。

日本福岡神殿

2000年に奉献された福岡神殿は、日本国内で二番目の神殿であり、豊かな文化的背景を持つ地域に位置しています。この神殿は他の神殿と同様、特別な儀式が行われる聖域とされています。

日本札幌神殿

2016年に開設された札幌神殿は、北海道に位置し、西洋と日本の文化が融合したデザインが特色です。神殿の周辺の庭園も訪問者に開放され、地域の文化を反映した要素が多く見られます。

日本沖縄神殿と大阪神殿

2023年に奉献された沖縄神殿は、教会の186番目の神殿として新たに追加されました。また、大阪神殿の建設が発表されたことで、日本国内の信者にとってさらなる拠点が生まれることになります。

伝道部と信者の集まり

日本には6カ所の伝道本部があり、それぞれが地域内の宣教師活動を管理しています。また、信者たちの集まりは「ワード」または「支部」と呼ばれ、これらが「ステーク」として組織されています。現在、日本には28カ所のステークが存在し、地域社会の活動が活発に行われています。

教会は信者に対して非常に重要な役割を果たし、地域とのつながりを強めるための様々な取り組みを行っています。信者の活動として、地域のイベントへの参加やボランティアも盛んに行われており、教会の存在感が地域社会の中で高まっています。これらを通じて、末日聖徒イエス・キリスト教会は日本においても影響力を持つ信仰の一端を担っています。

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