日本アーカイブズ学会

日本アーカイブズ学会（The Japan Society for Archival Science: JSAS）は、2004年に設立された、日本におけるアーカイブズ研究の中核を担う学術団体です。文書館等のアーカイブズに関する研究と実践を推進することを目的としています。

概要

学会の設立趣意書では、アーカイブズを「団体、家、個人が作成、受領、保存してきた記録」と定義しています。これには、手書きや印刷物、電磁的記録、オーラルヒストリーなど、あらゆる形態の記録が含まれます。学会の活動領域は、アーカイブズの管理、成立・構造・伝来に関する研究、教育・普及に関する研究など多岐にわたり、歴史学、社会学、情報学といった既存の学問分野と連携しつつ、独自の学問領域を形成しています。

設立当初から、大学におけるアーカイブズ学講座の開設を目標としており、モデルカリキュラムの編成や資格制度の創設を目指していました。その成果として、2008年4月には学習院大学大学院人文科学研究科にアーカイブズ学専攻が設置されました。

目的と活動

学会の会則には、「アーカイブズに関する調査・研究を行い、日本におけるアーカイブズ学の進展に寄与するとともに、アーカイブズ制度の発展に貢献すること」が目的として明記されています。この目的を達成するため、以下の事業活動を行っています。

研究集会および総会の開催
機関誌『アーカイブズ学研究』をはじめとするアーカイブズ関連文献の刊行
学会ウェブサイトの運営
国内外の関係団体・機関との交流
その他、目的達成に必要な事業

機関誌『アーカイブズ学研究』は年2回刊行され、最新の研究成果や動向が発表されています。また、2012年には、日本アーカイブズ学会登録アーキビストに関する規程・細則が確定し、専門人材の育成にも力を入れています。

組織

2022年1月時点で、役員数は25名、会員数は個人正会員461名、賛助団体20となっています。事務局は、東京都港区新橋に所在しています。

歴代会長

初代会長（2004-2009年度）：高埜利彦（学習院大学文学部）
第二代会長（2010-2013年度）：高橋実（人間文化研究機構国文学研究資料館）
第三代会長（2014-2015年度）：石原一則（神奈川県立公文書館）
第四代会長（2016-2019年度）：大友一雄（人間文化研究機構国文学研究資料館）
第五代会長（2020年度-）：保坂裕興（学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻）

関連情報

文書館学
外部リンク: 日本アーカイブズ学会

日本アーカイブズ学会は、アーカイブズ学の発展と、社会におけるアーカイブズの重要性の普及に大きく貢献しています。研究者だけでなく、実務者や一般の方々も会員として参加しており、アーカイブズに関わる幅広い人々が交流する場となっています。

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