日本ファブテック

日本ファブテック株式会社

日本ファブテック株式会社は、鉄骨構造の製造と鋼橋の建設を専門とする日本の企業です。そのルーツは清水建設にあり、鉄骨・鋼橋部門が分離独立して現在の形となりました。略称は日ファブとして知られています。

概要

清水建設のグループ企業として、100年を超える歴史を持つ日本ファブテックは、鉄骨・橋梁などの鋼構造物の設計、製作、建設を一貫して手掛ける専業メーカーです。これまで数多くの大型プロジェクトに参画し、建築物の鉄骨では3000件、橋梁では5000橋という豊富な実績を誇ります。

近年では、既存橋梁の診断・点検・修繕・更新を行う橋梁メンテナンス事業（Re-BRI、リブリ）や、鉄骨のオリジナル3Dモデルシステム事業にも力を入れています。

主要な製造拠点として、取手工場、熊谷工場、防府工場、千葉臨海工場の4つの工場が稼働しており、特に取手、熊谷、防府の3工場は、最高レベルの「鉄骨製作工場大臣認定Sグレード認定」を取得しています。

また、日本ファブテックは女性活躍推進にも積極的に取り組んでおり、厚生労働省から「えるぼし認定」（3つ星）を受けています。これは、管理職比率や労働時間など5つの基準を全て満たし、その実績を公開している企業に与えられるものです。

沿革

日本ファブテックの歴史は、1914年に清水満之助店（現在の清水建設）の本店深川工作場内の鉄工所として始まったことに遡ります。その後、1922年に清水組本店芝浦工作所として設立され、1926年には橋梁の設計・製作を開始しました。

1928年には、合資会社東京鐵骨橋梁製作所として清水組から分離独立し、法人格を取得。1948年に株式会社に組織変更しました。

1963年には茨城県取手市に取手工場を開設し、1976年には山口県防府市に防府工場を開設、1984年には千葉県市原市に千葉臨海工場を開設しました。

1997年には、商号を株式会社東京鐵骨橋梁に変更。しかし、2007年には橋梁談合事件に関与したとして、国土交通省関東地方整備局から業務停止命令を受けるという事態も経験しました。

2010年には、本社を取手工場内に移転。そして、2016年に清水建設子会社の片山ストラテックから橋梁事業を継承し、同年には鉄骨事業も継承して経営統合を果たしました。

2017年、現在の日本ファブテック株式会社へと商号を変更。「ファブテック」は、ファブリケーターとテクノロジーを組み合わせた造語であり、ロゴマークは企業の基本方針である「未来を支える」の「支」の字をモチーフにしています。

主な施工実績

日本ファブテックは、数多くの著名な建築物や橋梁の建設に携わってきました。

関連人物

清水釘吉: 清水満之助店の営業監督として、鉄工所の開設を発案しました。濃尾地震を契機に、鉄骨造建築の需要が高まると考え、鉄工所の設立を主導しました。
清水揚之助: 合資会社として独立した際の代表者です。
清水康雄: 前社名である東京鐵骨橋梁の名付け親であり、清水組二代社長を務めました。

関連項目

KAPシステム - 鉄骨専用３D CADソフトウェア
日本の企業一覧 (金属製品)
日本の企業一覧 (建設)

脚注

外部リンク

日本ファブテックホームページ
公式YouTubeチャンネル - 鋼橋の製作手順や架設動画などを公開しています。
* 日本橋梁建設協会 技報データベース - 会社名「日ファブ」を選択することで、日本ファブテック技報の論文を閲覧できます。旧社名の論文は「東骨」「片山」を選択してください。

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