日本フランス語フランス文学会

日本フランス語フランス文学会

日本フランス語フランス文学会（にほんふらんすごふらんすぶんがくかい）は、我が国におけるフランス語学およびフランス文学の研究を専門とする主要な学術団体です。この学会は、フランス文化研究の発展と普及を目的として活動しており、多くの研究者や教育者が所属しています。

設立とその歴史

学会の歴史は、1962年に遡ります。当時、日本のフランス文学・語学研究をリードしていた東京大学の辰野隆名誉教授や鈴木信太郎教授らを中心とする学識経験者たちが集まり、設立されました。以来、日本のフランス研究における中心的な役割を果たし続けています。辰野隆氏は設立に尽力し、名誉会長に就任しました。

主な活動内容

本学会の活動の核となるのは、学術研究の成果発表と会員間の交流です。

学術雑誌の刊行

最も重要な活動の一つとして、学会の機関誌である『フランス語フランス文学研究』を年に2回、定期的に刊行しています。この研究誌には、会員による最新の研究論文が掲載されており、フランス語学・フランス文学分野における日本の研究水準を示すものとなっています。また、かつては全篇フランス語で書かれた論文を掲載する専門誌『LITTERA』も、2016年から2023年まで発行されており、国際的な情報発信も行っていました。現在、この『LITTERA』は一時休刊となっています。

歴代会長

学会の運営は、その時代を代表するフランス研究者たちが歴代会長として担ってきました。初代会長は鈴木信太郎氏（東京大学）が務め、以降、渡辺一夫氏（東京大学）、桑原武夫氏（京都大学）といった著名な研究者が会長職を歴任し、学会の発展に貢献しています。最近では、石井洋二郎氏（東京大学名誉教授）、小倉孝誠氏（慶應義塾大学）らが会長を務めています。歴代の会長は、東京大学、京都大学、名古屋大学、東京都立大学、東京外国語大学、立教大学、大阪大学、慶應義塾大学など、国内の主要な大学に所属する研究者によって務められてきました。

地方支部とその活動

日本フランス語フランス文学会は、全国規模の組織でありながら、地域に根ざした活動も重視しています。国内には複数の地方支部が設置されており、それぞれの地域で研究会や大会を開催し、活発な研究交流が行われています。主な支部として、以下の支部があります。

北海道・東北支部
関東支部
中部支部
関西支部
中国・四国支部
九州支部

各支部は、独自の論集や会報を発行しており、地域における研究成果の共有と発展に貢献しています。例えば、北海道・東北支部は『Nord-Est』を刊行しており、かつては北海道と東北で別々の論集を発行していた経緯があります。関東支部は『日本フランス語フランス文学会関東支部論集』、関西支部は論叢『関西フランス語フランス文学』、九州支部は『フランス文学論集』などを発行しています。これらの支部活動は、全国の会員が地域を超えて連携し、フランス語学・フランス文学研究の裾野を広げる上で重要な役割を果たしています。

まとめ

日本フランス語フランス文学会は、設立以来、日本のフランス語・フランス文学研究を牽引し、研究者間の交流促進、質の高い研究成果の発信に貢献してきました。今後も、この分野の学術的な発展と文化交流に寄与していくことが期待されています。

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