日本フルハーフ

日本フルハーフ株式会社は、神奈川県厚木市上依知上ノ原に本社を置く、物流を支える多様な輸送機器を製造・販売する企業です。正式には「にっぽんフルハーフかぶしきがいしゃ」と読みます。

同社の歴史は、1963年に始まりました。設立には、日本軽金属といすゞ自動車がそれぞれ半分ずつ出資する形がとられ、アメリカのフルハーフ社から技術導入が行われました。現在もこの関係は続いており、発行済みの株式のうち66%を日本軽金属ホールディングスが、残りの34%をいすゞ自動車が保有しています。このため、日本フルハーフは日本軽金属ホールディングスグループの一員として位置づけられています。

事業内容としては、物流および様々な産業分野で利用される車両やコンテナの製造と販売を幅広く手掛けています。具体的には、運送効率に優れたアルミバン、輸送の大動脈を支えるトレーラ、生鮮品や薬品の適切な温度管理を可能にする冷凍車、特定のニーズに応える特殊車両などが挙げられます。さらに、グローバルな貿易を担う海上コンテナ、国内輸送の基盤である鉄道コンテナ、航空貨物に使われる航空コンテナ、そして大型機械などを輸送するプラントパッケージといった多岐にわたる製品を提供しています。近年では、海上コンテナ製造で培ったノウハウと技術力を応用し、2011年からは堅牢で移設が容易なISO規格準拠のコンテナ型データセンターの開発にも着手しており、新しい事業領域を切り拓いています。

社名である「フルハーフ」は、輸送技術の歴史において重要な貢献をした人物に由来します。1914年、デトロイトの鍛冶屋であったオーガスト・フルハーフが、フォード・モデルTを改造して世界で初めてトレーラーを製作しました。後に彼はアメリカでフルハーフ社を創業し、トレーラー産業の礎を築きました。日本フルハーフの名称はこのオーガスト・フルハーフ氏に敬意を表して名付けられています。なお、技術提供元であったアメリカのフルハーフ社自体は1996年に経営破綻しましたが、日本フルハーフ以外にも、ニュージーランド、フランス、メキシコなど、現在でも世界各地に「フルハーフ」の名を冠する企業が存在しています。

地域社会との関わりも深く、毎年恒例のイベントとして、本社工場での「バラ観賞会」を開催しています。この観賞会は、毎年5月の第3日曜日に工場敷地を開放して行われ、丹精込めて育てられた美しいバラが一般に公開されます。地元住民はもとより、遠方からも多くの人々が訪れ、地域交流の場として親しまれています。

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