日本フードサービス協会

一般社団法人日本フードサービス協会（JF）

一般社団法人日本フードサービス協会（にほんフードサービスきょうかい）は、日本の外食産業を包括的に支援し、その健全な発展を牽引する主要な業界団体です。英語名称はJapan Foodservice Associationといい、略称として「ジェフ（JF）」の名でも広く知られています。

設立の経緯と規模

当協会の設立は1974年にさかのぼります。1970年代初頭は、日本初の本格的なレストランチェーンであるすかいらーくが登場するなど、日本の外食産業が本格的な黎明期を迎えていた時期にあたります。このような時代背景の中、将来的な産業の大きな発展を見据えた多くの外食関連企業が連携の必要性を感じ、賛同の輪を広げた結果、設立に至りました。

設立以降、着実にその規模を拡大し、2014年3月末時点では、外食店舗を運営する正会員企業と、外食産業に関連するメーカーや商社などで構成される賛助会員企業を合わせて、826社が加盟しています。この会員数は、外食産業に関わる団体の中では最大規模を誇り、業界における当協会の影響力と代表性の高さを物語っています。

主な活動内容

日本フードサービス協会は、外食産業の活性化と発展を目指し、多岐にわたる活動を展開しています。

主な活動としては、以下のようなものが挙げられます。

政策提言: 外食産業を取り巻く様々な課題に対し、業界の代表として国や行政に対して政策提言や要望活動を行います。税制、労働問題、食品安全など、幅広い分野で業界の声を集約し、反映させるための活動です。
調査・研究活動: 外食産業の市場動向、消費者の意識、労働環境などに関する各種調査を実施し、その結果を会員企業や社会に発信することで、業界全体の現状把握と将来予測に貢献しています。定期的に発表される外食産業市場動向調査などは、多くの関係者にとって重要な情報源となっています。
イベント主催: 業界内外に向けて外食産業の魅力を発信し、ビジネス交流の機会を提供するため、大規模な展示会などを主催しています。代表的なものとしては、「ジャパンフードサービスショー」があり、国内外から多くの関係者が集まる場となっています。
社会貢献活動: 「外食の日」イベントの実施を通じて食文化の普及啓発を図ったり、「ジェフ愛の募金」を運営して福祉施設への支援を行うなど、社会の一員としての責任を果たすための活動にも積極的に取り組んでいます。

具体的な取り組み例

協会の活動は、時事的な課題にも及びます。例えば、受動喫煙防止を目的とした健康増進法の改正案が議論された際には、飲食店を含む公共施設での原則禁煙化に対して業界の立場から慎重な姿勢を示しました。2017年3月には、関連する国会議員団との会合に出席し、日本遊技関連事業協会と共に、飲食店の営業形態に応じた柔軟な対応を求める意見を表明するなど、具体的なロビー活動も展開しています。

関連団体と福利厚生

会員企業で働く従業員の福利厚生の充実も、協会の重要な関心事の一つです。当協会の関連団体として、外食産業ジェフ厚生年金基金や全国外食産業ジェフ健康保険組合が設立されており、これらの組織を通じて、外食企業における従業員の安心で快適な働きがいのある環境整備を支援しています。

組織体制と委員会活動

協会の円滑な運営と多様な事業推進を支えているのは、会員企業からの参加によって構成される様々な委員会です。これらの委員会は、それぞれの専門分野において、業界が直面する課題の解決や新たな取り組みの企画・実行を担っています。代表的な委員会としては、広報調査委員会、労務委員会、教育研修委員会、安全安心委員会、食材調達・開発等委員会、国際交流委員会、環境委員会などが設置されており、活発な活動を行っています。

関連事項

当協会に関連する事業として、全国の加盟店で利用できる共通の食事券である「ジェフグルメカード」の発行・管理なども行われており、消費者にとっても身近な存在となっています。

まとめ

一般社団法人日本フードサービス協会は、日本の外食産業の黎明期に設立されて以来、市場規模の拡大とともに成長を遂げてきました。政策提言から調査活動、イベント開催、社会貢献活動に至るまで、その活動範囲は広く、会員企業の経営支援や従業員の福利厚生向上にも力を入れています。外食産業を取り巻く環境が変化する中で、業界全体の代表として、その持続的な発展と地位向上に不可欠な役割を果たし続けています。

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