日本レストランエンタプライズ

株式会社日本レストランエンタプライズ（NRE）の歴史と概要

1. 企業概要

株式会社日本レストランエンタプライズ（NRE）は、かつてJR東日本の飲食事業を担っていた会社です。2020年4月、JR東日本フードビジネスと合併し、JR東日本フーズに商号変更。その後、2021年4月にはJR東日本クロスステーションに統合され、日本食堂時代から続く法人格は消滅しました。しかし、関連会社にはNREの名残が一部に残っています。

NREはJR東日本の新幹線や特急列車の車内販売、一部普通列車グリーン車の車内改札業務などを請け負っていました。車内販売のアナウンスでは、NREの略称を使用していました。多くの関連会社もNREの名称を用いていました。

2. 歴史

2.1 国鉄時代

NREの前身は、国鉄の食堂車を営業していた複数の企業が統合して設立された日本食堂株式会社です。北海道から九州まで、全国主要駅に食堂などを展開し、昭和40年代には外食産業ランキングで日本一を記録するほどでした（1978年度売上高：433億円）。特急列車などの車内販売も行っていました。

2.2 国鉄民営化後

国鉄民営化に伴い、日本食堂はJR東日本の営業エリアを担当する会社として分社化されました。多くの駅で構内営業権を持つ会社と合弁会社を設立し、駅弁販売や駅そば店などを運営していました。JR東日本本社などの社員食堂や、NewDaysで販売される日配品の製造なども行っていました。

2000年代以降は、弁当の取り置きサービス、宴会料理宅配、学校や公共施設への委託給食サービスなども展開。鉄道博物館の食堂も運営し、「日本食堂」の名称を使用していました。

2.3 統合と消滅

2020年にはJR東日本フードビジネスと合併、2021年にはJR東日本リテールネットなどとの統合を経てJR東日本クロスステーションとなり、長い歴史に幕を閉じました。

3. 沿革

NREの沿革は、1938年の日本食堂株式会社設立に始まります。戦時中の食堂車全廃、戦後の再開を経て、1975年には日食商事株式会社を設立。1987年には北海道、九州に子会社を設立、その後も順次JR各社に合わせた子会社化を進めました。

1990年代にはJR東日本が資本参加し、子会社化。1998年には商号を株式会社日本レストランエンタプライズに変更し、略称を「NRE」としました。2000年代にはO-bento事業や米国子会社設立なども行いました。数多くの駅そばチェーンや駅弁事業などを展開しましたが、2010年代には車内販売やアテンダントサービスを縮小、2019年には完全に廃止しました。

その後、2020年4月1日にジェイアール東日本フードビジネスと合併し、JR東日本フーズとなりました。そして、2021年4月1日、JR東日本リテールネットと合併し、JR東日本クロスステーションとなり、長い歴史に幕を閉じました。

4. 事業所と事業内容

NREは弁当事業本部と外食事業本部を主要な事業部門としていました。弁当事業では駅弁製造販売、外食事業では駅そばチェーンなどを展開していました。他にも生産管理部門、物流部門、過去の事業としてO-bento事業がありました。

5. 関連会社

NREには数多くの関連会社がありました。多くの会社がNREの名称を含んでいましたが、親会社の再編に伴い、多くの関連会社は吸収合併され、NRE自身も消滅しました。

6. まとめ

NREは、国鉄時代から続く歴史を持つ、JR東日本の飲食事業の中核を担っていた企業でした。長い歴史の中で、数々の事業展開を行い、日本の食文化に貢献しました。その歴史は、日本の鉄道史、外食産業史において重要な位置を占めています。しかし、JR東日本グループ再編の流れの中で、歴史に幕を閉じました。

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