日本・インド経済連携協定

日本・インド経済連携協定 (EPA)

日本・インド経済連携協定（EPA）とは、2011年に両国間で締結された経済連携協定であり、貿易や投資の自由化を促進することを目的としています。日本国内では国会の承認を受け「条約」として扱われており、正式には「日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定」と呼ばれています。この協定は、アジア地域の経済関係をより一層強化するための重要な枠組みとなっています。

署名・発効までの経緯

日本とインドは、2004年におけるASEANとの首脳会合での会談を契機に、経済関係を強化するための共同研究会を設立することを合意しました。これが、日印経済連携協定の基盤となる日・インド共同研究会（JSG）の始まりです。さらに2005年には共同研究会が開催され、両国の産業界、学術界、政府の代表が集まり、経済連携の方針や提案をまとめ上げることを目指しました。

2006年12月、安倍首相とマンモハン・シン首相の首脳会談で経済連携協定交渉の開始が決定され、その後、交渉は順次行われることになりました。2007年から2010年にかけて、多数の交渉会合が行われ、大筋の合意に至り、2010年10月には両国首脳の共同宣言が発表されました。

2011年、最終的な署名が行われ、国内手続きが進められました。同年8月には協定が正式に発効しました。

協定の内容

日本・インド経済連携協定は、貿易の自由化に重点を置いており、両国の農産品や工業製品に関する関税の撤廃やアクセス改善が行われました。日本は、農林水産品に関して特化した品目に対し、インド市場でのアクセスを改善しました。具体的には、ドリアンやアスパラガス、唐辛子、スイートコーンなどの農産品や、エビ、冷凍タコ、クラゲなどの水産物の取り扱いが含まれています。

一方で、日本はインドからの輸入において、自動車部品や鉄鋼製品、さまざまな電子製品に対する関税の撤廃を実現しています。これにより、日本の製品がインド市場に流れ込みやすくなることが期待されています。

まとめ

日本・インド経済連携協定は、両国間の経済的な結びつきを深める重要な手段であり、貿易や投資の自由化を通じて両国にとって有益な関係を築く助けになっています。この協定によって、各国の経済構造がより柔軟になり、さらなる発展が期待されています。また、アジア地域全体の経済的な連携強化にも寄与する大きな意義を持つものと言えるでしょう。

もう一度検索