日本・チリ経済連携協定

日本・チリ経済連携協定について

概要
日本とチリの間で結ばれた経済連携協定（EPA）は、2007年に正式に発効し、両国の貿易関係や経済協力を強化することを目的としています。この協定は、日本法においては国会の承認を経て「条約」として認められており、正式な名称は「戦略的な経済上の連携に関する日本国とチリ共和国との間の協定（平成19年条約第8号）」です。

締結までの経緯
協定の締結に向けた動きは2002年に始まり、当時の小泉純一郎首相とチリのリカルド・ラゴス大統領が経済連携の検討に合意しました。その後、両国の産業界と学界、公的機関が協力して、2005年には共同研究会を設置しました。この研究会は、日・チリ間の経済連携協定や自由貿易協定の可能性を探るためのプラットフォームとなり、複数回の会合が重ねられました。

2005年から2006年にかけては、EPA交渉のための正式な会合が定期的に行われ、日本とチリの双方が関心を持つ品目について慎重に話し合われました。最終的には、2006年9月において、大筋での合意が発表され、協定の締結に向けた準備が整いました。

協定の締結と発効
2007年3月27日、東京で日本とチリの外務大臣が協定に署名し、続いて国内手続きが進められました。日本国内での承認は、国会での議論を経て、5月と6月にそれぞれ衆議院と参議院で可決されました。協定は、両国の手続きが完了した2007年8月7日に発効し、実質的な運用が開始されました。

関税撤廃の内容
経済連携協定では、日本がチリからのほぼすべての鉱工業品について、10年以内に関税を撤廃することが約束されました。特に、精製銅などの品目については段階的な撤廃が行われる予定です。農林水産品についても、ギンザケやマス、ワイン、牛肉、豚肉などについて、関税の引き下げや割当が設定されています。また、チリは、日本向けに輸出する際の関税撤廃を得ることで、日系企業にとっても魅力的な市場を提供しています。

一方で、日本は特定の農産物の関税撤廃についても交渉を行い、緑茶や田芋、日本酒など、日本の輸出品についての関税引き下げを確保しました。

まとめ
日本・チリ経済連携協定は、両国の経済的な結びつきを強化し、互いの市場の可能性を広げる重要な手段として機能しています。この協定を通じて、貿易の促進はもちろん、投資や技術協力を含む幅広い分野での協力が期待されています。

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