リカルド・ラゴス

リカルド・ラゴス・エスコバル：チリの政治家、第33代大統領

リカルド・ラゴス・エスコバル（Ricardo Lagos Escobar）は、1938年3月2日生まれのチリの政治家であり、同国の大統領（第33代）を務めました。彼は、チリの民主化移行期から21世紀初頭にかけて、チリの政治・経済に大きな影響を与えた人物として知られています。

生い立ちと学歴

ラゴスは1960年にチリ大学法学部を卒業後、1966年にはアメリカ合衆国のデューク大学で経済学博士号を取得しました。その後、チリ大学で経済学の教鞭を執り、1974年からはアメリカのノースカロライナ大学でラテンアメリカ学の客員教授を務めました。彼は、学術的な背景を持つ政治家として、政策立案においても理論的な視点を取り入れることができました。

政治活動

1980年代から政界に進出したラゴスは、当時アウグスト・ピノチェト軍事政権下にあったチリで、民主化運動に積極的に参加しました。1986年には、軍事政権によって逮捕されるという経験もしています（約3週間で釈放）。1987年12月には、軍政継続の是非を問う国民投票において、立会人を確保するための政党として「民主主義のための政党」（PPD）を立ち上げ、その後党首に就任しました。このPPDは、その後のチリの民主化プロセスにおいて重要な役割を果たしました。

要職歴任と大統領就任

ピノチェト軍事政権が崩壊した1990年、ラゴスは文部大臣に就任し、教育改革に取り組みました。1994年には公共事業大臣に就任し、インフラ整備を推進しました。1998年に大統領選挙出馬のため公共事業大臣を辞任し、2000年3月の大統領選挙で初当選を果たしました。

大統領としての業績

ラゴスは大統領として、チリ経済の安定と成長、社会福祉の向上、国際社会におけるチリの地位向上に尽力しました。また、ピノチェト時代の負の遺産と向き合い、人権問題の解決にも取り組みました。2003年2月には日本を訪問し、両国間の関係強化に貢献しました。

その他の出来事

2004年11月にサンティアゴ・デ・チレで行われたAPEC首脳会議の際、チリの有名政財界の人々に対してアメリカ合衆国のシークレット・サービスが金属探知装置をくぐるように要求したことが原因で、アメリカ大統領ジョージ・ウォーカー・ブッシュを迎えての晩餐会を中止したことは、世界中に波紋を巻き起こしました。この一件は、ラゴスがチリの尊厳を守る姿勢を示した出来事として記憶されています。

2005年4月9日には、母であるエマ・エスコバルを亡くすという不幸に見舞われました。エマは108歳という大往生でした。

また、同年11月6日には、日本に亡命中であったペルー前大統領のアルベルト・フジモリが日本からチリに出国し、チリ当局に逮捕されるという事件が発生しました。この件に関して、ラゴスは日本政府が前大統領が国際手配されていることを知りながら、日本出国・チリ入国の事実をチリ政府に通告しなかったことを批判しました。

外部リンク

PRESIDENCIA DE LA REPUBLICA

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