日本三忠臣
日本三忠臣
日本三忠臣とは、江戸時代に勤皇思想が広まる中で、儒学者の安東省菴によって忠臣とされた3人の人物を指します。安東省菴の著書『三忠伝』に記述が見られます。
三忠臣
楠木正成
平重盛
万里小路藤房
各人物の詳細
楠木正成
楠木正成は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した武将で、後醍醐天皇に忠義を尽くした人物として知られています。特に、湊川の戦いにおける壮絶な戦死は、後世に大きな影響を与えました。江戸時代には、その忠義心が見直され、勤皇思想の象徴として崇敬されるようになりました。
平重盛
平重盛は、平安時代末期の武将で、平清盛の嫡男です。父である清盛とは異なり、穏健な性格で知られ、後白河法皇との関係修復に努めました。しかし、清盛との対立が深まり、失意のうちに病死したと伝えられています。江戸時代後期になると、重盛が後白河法皇を庇い、父・清盛を諫めたという伝承が広まり、天皇への忠義を尽くした人物として高く評価されるようになりました。父に諫言をしたことが命をすり減らしたという逸話も評価される一因となっています。
万里小路藤房
万里小路藤房は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての公卿で、後醍醐天皇に仕えました。藤房は、武家の棟梁の出現を危惧し、再三にわたり天皇に諫言を繰り返したとされています。しかし、その諫言は聞き入れられず、元弘3年の翌年（1334年）3月11日に天皇の八幡行幸に同行した後、岩倉で不二坊という僧のもとに出家しました。天皇は宣房に命じて藤房を召還させようとしましたが、既に行方を晦ましており、再会は叶わなかったと伝えられています。この逸話から、藤房は天皇への忠義と、政治に対する憂いを抱いた人物として描かれています。
まとめ
日本三忠臣は、それぞれの時代背景の中で、天皇や朝廷に忠義を尽くした人物として、江戸時代に再評価されました。彼らの生き様は、勤皇思想を広める上で大きな役割を果たし、後世に多大な影響を与えました。
関連項目
日本三悪人
* 寛政の三忠臣
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