日本中国友好協会

日本中国友好協会の概要

日本中国友好協会（にほんちゅうごくゆうこうきょうかい）は、中華人民共和国との友好交流を促進するために1950年に設立された日本の団体です。通称である日中友好協会（にっちゅうゆうこうきょうかい）でも知られています。この協会は日本と中国の友好関係を築くことを主な目的としており、設立以来、数多くの活動を行ってきました。しかし、1966年に内部の意見の対立により、二つの団体に分裂しました。これにより、現在でもそれぞれ別の活動を続けています。

組織の分裂

協会の分裂は1966年に発生しました。分裂の原因は、日本共産党と中国共産党の関係の悪化によるものでした。具体的には、日本共産党から派遣された代表団が中国で毛沢東主席と協議した際に意見が対立し、その結果、日中共産党の連携も崩れてしまったのです。この影響で日本共産党に強い影響力を持っていた日中友好協会は、協会内からの弾圧や妨害を受け、意見の異なる会員たちが新たに日中友好協会（正統）本部を設立するに至りました。こうして、二つの団体が並存する状態になったのです。

二つの団体の特徴

分裂した二つの協会は、各々が独自の活動を続けています。1つ目は、「日中友好新聞」を発行する日本中国友好協会で、東京都台東区の浅草橋に本部を置いています。ここは日本共産党と強い関係を持っている組織として知られています。2つ目は、公益社団法人日本中国友好協会で、東京都千代田区の神田錦町に本部を構えています。この団体は日中友好運動を目的に設立されたもので、全国に加盟協会を持つ唯一の団体でもあります。

創立からの歴史

日本中国友好協会は、1949年10月に準備会を発足し、1950年2月に会報『日本と中国』を創刊した後、同年10月に正式に設立されました。設立当初、協会は日本と中華人民共和国の国交がなかったため、さまざまな交流活動や文化交流を通じて友好関係を築くことに力を注ぎました。特に中国に残留した日本人の帰国や、戦争で犠牲になった中国人の遺骨送還などの制度を整えることも行われました。

しかし、前述のとおり、日中共産党の路線対立により、協会内の政治的立場が徐々に分裂していきました。1966年に発生した善隣学生会館事件は、両組織間の対立が極まった一つの例であり、ここでの衝突は大きな問題として取り上げられました。

当前の活動

日中友好協会は、両団体がそれぞれ独立した活動を行っている一方で、友好関係の促進を目指している点では共通しています。特に公益社団法人日本中国友好協会は、全国の都道府県に加盟協会を持ち、国民レベルでの友好関係の強化に努めています。また、両団体とも中国との関係を取り持つ活動を続けており、時には共同でのイベントを行うこともあります。

まとめ

日本中国友好協会の存在は、今なお日中関係の重要な側面を形成しています。1950年の設立以来、異なる立場と歴史を持つ二つの団体を通じて、日中友好と交流の必要性は具体的に実現されてきました。今後もこのような活動が続くことで、さらなる両国の友好関係の進展が期待されます。

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