日本交通公社 (公益財団法人)

日本交通公社について

公益財団法人日本交通公社（Japan Travel Bureau Foundation）は、旅行や観光の分野で様々な調査研究を行う日本のシンクタンクです。観光文化振興に寄与する自主的な研究活動や、政府や地方公共団体からの依頼による受託調査を行っており、その取り組みを通じて国内外の旅行や観光の発展に寄与しています。また、東京に位置するこの機関内には「旅の図書館」が設けられており、これは一般の利用者が訪れることが可能で、無料で多彩な旅行や観光情報が提供されています。

沿革

日本交通公社の歴史は、1912年に設立された「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」（Japan Tourist Bureau）に始まります。当時、この団体は鉄道院の木下淑夫の指導のもと観光振興の目的で設立され、初代幹事には鉄道院技師の生野團六が就任しました。翌1913年には観光に関する雑誌『ツーリスト』が発刊され、その後も観光に関する情報提供の重要な役割を果たしました。

1927年には社団法人として改組され、さらに1934年には日本旅行文化協会と合併して社団法人ジャパン・ツーリスト・ビューロー日本旅行協会となりました。その後、1941年には「東亜旅行社」に改称され、1943年に国際観光協会と合併して財団法人東亜交通公社に移行しました。

1945年には財団法人日本交通公社に改称し、英文名称もジャパン・トラベル・ビューローに変更しました。この時期から、旅行や観光に対する調査研究が本格的に行われるようになりました。1963年には営利部門が民営化されたため、現在のJTB（株式会社日本交通公社）が設立され、日本交通公社は非営利の調査研究機関としての役割を強化しました。

1996年には「旅の図書館」が設立され、その後2000年に名称が変更されたことによって、利用者が広く観光情報にアクセスできるようになりました。2012年には公益財団法人に移行し、最近では沖縄事務所を開設するなど、地域活性化にも取り組んでいます。

主な出版物

日本交通公社はまた、旅行者動向の調査レポートや観光に関する専門的な書籍を定期的に発行しています。例えば、年1回7月には「旅行者動向」、9月には「旅行年報」といった刊行物があります。また、観光文化に関する情報発信も行い、年6回にわたる「観光文化」という定期刊行物を提供しています。さらに、自社出版として観光辞典や観光読本等、多様な出版物を通じて観光業界に重要な資料を提供しています。

旅の図書館

「旅の図書館」は、旅行や観光に関する資料が豊富にそろう場所であり、誰でも自由に訪れて知識を得ることができます。多くの人々が観光地の情報を得たり、観光業界に関連する書籍や雑誌を利用するために訪れ、観光文化の理解を深める場となっています。

日本交通公社は、その幅広い活動を通じて日本の観光産業の発展に寄与し、観光文化の振興を目指しています。

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