日本伝道福音教団

日本伝道福音教団（にほんでんどうふくいんきょうだん）

日本伝道福音教団は、新潟県長岡市に本部を置くプロテスタントに属する福音派のキリスト教団体です。日本の主要な福音派連合体である日本福音同盟にも加盟しています。信仰の基盤としては、宗教改革が打ち立てた聖書に基づく信仰の立場を大切に受け継いでいます。

歴史的背景と設立

この教団の働きは、1935年に遡ります。当時、「福音伝道教団」という団体が新潟県の三条、加茂、小千谷といった地域で伝道活動を開始しました。

戦後、日本の宣教は新たな局面を迎えます。1949年6月、カナダにあるプレーリー聖書学院の教師や卒業生を中心とした宣教師の一団が、「バイブル・インスティチュート・オブ・ジャパン」として来日しました。この宣教師たちは同年秋には軽井沢に拠点を移し、「軽井沢聖書学院」を開設しました。

1950年になると、これらの宣教師たちの団体である「日本伝道ミッション（JEM）」が、戦前から新潟県で福音伝道教団が行っていた伝道の働きを引き継ぐことになります。福音を伝える働きと並行して、人材育成のための機関も設立されました。1952年には「柏崎聖書学院」が開設され、後にこの学院は1998年に「新潟聖書学院」と名称を変更しています。

JEMによる働きが進展する中で、地域に教会が形成されていきました。そして1958年、それまでに形成されていた9つの教会が集まり、正式に「日本伝道福音教団」が組織として設立されたのです。

発展と協力関係

教団は設立後、宣教団であるJEMからの支援を受けながら活動を続けていましたが、1970年からは宣教団の直接的な支援から離れて、自立的な教会形成と開拓伝道に力を入れるようになりました。現在、教団は新潟県を中心に、北陸地方を含めて20の教会を擁するまでに成長しています。また、海外宣教への関心も高く、聖書翻訳に携わる国際的な団体であるウィックリフ聖書翻訳協会へ4名の宣教師を送り出しています。

教団の母体とも言える宣教団JEMは、1982年に別の宣教団体であるTEAMと合併しました。これに伴い、日本伝道福音教団はTEAMとの間で協力関係を築き、共に宣教活動を進めるようになりました。この協力関係は教育機関の設立にも及びます。1998年には、TEAMと日本同盟基督教団、そして日本伝道福音教団の三者が協力し、「新潟聖書学園」を設立しました。この学園は、先の新潟聖書学院と、研修施設である聖ヶ丘バイブルキャンプを運営しています。

しかし、協力関係にも変化が生じます。2000年には、TEAMに所属していた旧JEM関係のカナダ人教師たちが、全員本国へ帰国することとなりました。これは、教団や聖書学院の運営において、日本側の担い手がより中心的な役割を果たすようになる一つの転換点でもありました。

信仰と現状

日本伝道福音教団は、その創立以来、プロテスタント宗教改革の理念に基づいた聖書の権威と福音の中心性を重んじる信仰的立場を継承しています。現在も、新潟や北陸地方の教会を中心に、地域に根ざした伝道と、信仰共同体の形成を目指した活動を続けています。教団の歩みは、戦前の日本の働きと、カナダからの宣教師による働きが一つとなり、日本の自立した教団として発展してきた歴史を示しています。

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