日本共産党と創価学会との合意についての協定

日本共産党と創価学会の合意に関する協定

概要

1974年に結ばれた日本共産党と創価学会の協定は、政治の歴史において重要な出来事であり、その背景には複雑な経緯がありました。1970年代初頭、両者は互いに支持を持ちつつも、長らく選挙活動での対立が続いていました。この時期、彼らの間の競争は、激しいビラ合戦や尋常ではない非難合戦にまで発展していました。しかし、このような対立を経て、1974年に一つの転機が訪れたのです。

合意の成立

1974年7月、第10回参議院議員通常選挙の後、創価学会の文芸部部長が著名な作家の松本清張を訪れ、彼の提案によってトップ会談を開催する運びとなりました。それから約3ヶ月後、10月28日には事前の予備会談が行われ、創価学会総務の野崎勲と日本共産党の常任幹部会委員上田耕一郎が相互理解や敵視政策の撤廃を目指す協定に調印しました。この協定は、10年間の有効期限を持ち、必要に応じて更新される形になりました。

しかし、この協定は公明党と共産党の間で直接結ばれたものではなく、創価学会が公明党を介さずに共産党と結んだのです。そのため、後に公明党がこの協定に対して反発を示すことになります。

公表とその後の影響

1975年7月27日、協定が公にされると、すぐに様々な反発が巻き起こりました。公明党はこの合意が政党間の関係に与える影響を懸念し、公安警察も動きを見せました。さらに、自民党内部からも反発が強まり、創価学会はその態度を急速に変化させ、協定は報道されるや否や、ほぼ実効性を失ってしまいました。

対立の再燃

1980年には、創価学会の顧問弁護士による盗聴事件が発覚し、これが引き金となって共産党と創価学会の対立は一層深まりました。この事件により、協定の更新は実現しませんでした。両者の関係は次第に悪化し、政治的な緊張を生み出しました。

結論

この協定は、当時の日本においては画期的な出来事であり、政治の構図に少なからぬ影響を及ぼしました。しかし、協定の実効性は短期間で薄れ、結果的に再び対立のメカニズムが強化されることとなりました。今でもこの合意の背後にあった人々や出来事を考察することは、現代の政治理解において重要な意味を持ちます。

参考文献

• - 松本清張『「創共協定」経過メモ』（『文藝春秋』1980年1月号）
• - 山下文男『共・創会談記』（1980年6月、新日本出版社）

関連項目

• - 村上重良
• - 警視庁公安部

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