日本共産党第29回大会

日本共産党第29回大会 概要

日本共産党の第29回大会が、2024年1月15日から18日にかけて静岡県熱海市内の伊豆学習会館で開催されました。これまでの大会とは異なり、今回は他の政党の関係者が来賓として招かれることはなく、内部での議論に重きを置いた形となりました。

大会の初日

大会の初日には、第5代幹部会委員長であり衆議院議員の志位和夫が挨拶を行いました。この挨拶を受けて、副委員長兼政策委員長である参議院議員の田村智子が中央委員会報告を行い、党の現状や目指す方向性について語りました。

除名処分再審査

2日目には、2023年2月に京都南地区委員会から除名されたジャーナリスト松竹伸幸氏の再審査請求に関する報告がありました。提案者である山下芳生筆頭副委員長が、松竹氏の除名に関する経緯を詳しく説明しました。幹部団は、松竹氏が共産党に対し批判的な立場を取ったことや、綱領に反する見解を示したことを理由に、再審査を却下する決定を下しました。この決定は代議員による拍手での承認を得ました。

自由な討論と発言

大会の4日目においても、自由な発言が繰り広げられましたが、一部の議員が松竹氏の除名問題を深刻視し、発言のあり方についての懸念を示しました。田村智子氏は、その中で特定の代議員の姿勢に問題があると厳しく指摘しました。その後行われた決議案の採決では、通例であれば全員一致となるところ、6名が保留票を投じるという結果でした。

幹部人事と新たな体制

大会では新たな中央委員会が編成され、190名の中央委員と25名の准中央委員からなる215名の委員が選出されました。特に注目されるのは、幹部会委員長に田村智子氏が選ばれたことで、これは共産党史上初の女性党首の誕生を意味します。また、志位和夫氏は第4代中央委員会議長に就任し、党の最高指導者としての地位を確立しました。書記局長には小池晃氏が留任し、新たに田中悠氏が書記局長代行に選出されました。

前幹部の退任

志位氏は幹部会委員長を務めた21年間を経て最高ポストの議長に就任する一方で、長い間党の中心的存在であった不破哲三氏は退任し名誉役員となりました。不破氏の退任は、党内の世代交代を象徴するものであり、今後の方向性に大きな影響を与えるでしょう。

このように、第29回大会は日本共産党の内部での重要な決定と新たな指導体制の発足を示すものとして、特に注目されるイベントとなりました。

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