日本助産師会

日本助産師会について

公益社団法人日本助産師会（にほんじょさんしかい、Japanese Midwives Association）は、助産師の専門性を高めることを目指す組織です。この団体は、助産師の雇用状況や労働条件の改善を推進するとともに、出産に関する知識や母子保健の理解促進活動を行い、助産師の地位向上を図っています。また、活動の一環として、助産師が取り組む分野の広がりや、団体としてのPR活動にも力を入れています。さらに、助産師にとっての重要なサポートとして、出産事故などに対する損害保険にも加入しています。

歴史の変遷

日本助産師会は、1927年に設立された日本産婆会から始まります。第二次世界大戦後の1946年には、連合国軍最高司令官総司令部の指導により、帝国看護協会や日本保健婦協会と合併し、日本産婆看護婦保健婦協会（現在の日本看護協会）を結成しました。しかし、意見の不一致から1955年にこの協会を脱会し、6万人の助産師によって日本助産婦会が設立されました。最終的に2002年に現名称である日本助産師会へと改称されました。

医療における位置づけ

日本助産師会は、西洋医学を助産業務の基本として位置づけていますが、東洋医学や代替医療を用いることも認めています。この観点から、過去にはホメオパシーがセミナー等で紹介されたこともありました。しかし、2009年には山口県で新生児がビタミンK欠乏性出血症により死亡した事件が起こり、同会に属する助産師が訴訟を起こされました。この事件を受けて、日本助産師会は声明を発表し、助産師の業務は女性や新生児の自然の力を最大限に引き出す支援であることを強調しました。この声明では、西洋医学を基盤にしていることに触れつつも、別の考え方の取り扱いに対して柔軟な姿勢を示しました。

この件に関して、その時の総務担当理事であった神谷整子助産師が、メディアで「カリスマ助産師」として取り上げられることが多く、彼女は新生児に対するK2シロップの代わりにホメオパシーのレメディーを使用していたことを公言しました。

その後、日本学術会議から2010年にホメオパシーの効果が科学的に否定される声明が発表され、これを受けて日本助産師会は「助産業務としてホメオパシーを使用しないよう徹底的に指導します」と明言しました。

まとめ

日本助産師会は助産師の専門性を高めるために数多くの活動を行っており、医療法や社会的責任に基づく姿勢を重視しています。今後も助産師の立場向上に寄与し、母子保健に対する社会的理解を深めていくことが求められています。

もう一度検索