日本化学工業

日本化学工業株式会社の概要

日本化学工業株式会社は、東京都江東区に本社を構える老舗の化学メーカーです。 Founded in 1893, the company has become a significant player in the field of inorganic chemistry, boasting a well-established position at the forefront of the industry.

日本化学工業株式会社の起源は、明治26年に棚橋寅五郎が創業した「棚橋製薬所」にまで遡ります。この会社は、化学業界の発展に寄与しました。その後、1915年に株式会社に改組され「日本製錬株式会社」となり、1935年には他の化学会社との合併を経て、現在の法人が形成されました。特に、日本の商業発展に多大な貢献をした渋沢栄一や大倉喜八郎とのつながりにより、旧大倉財閥の一員としての位置づけもあります。

沿革

日本化学工業の歴史は、数多くの重要な出来事によって彩られています。1893年、棚橋寅五郎は東京麻布にてヨードカリの製造をスタートさせ、その後の1908年には東京小松川に工場を設立し、クロム塩の製造を開始しました。新たな工場や製品のラインアップが加わる中、1944年に社名が「日本製錬株式会社」から「日本化学工業株式会社」に変更されました。

その後、会社は肥料や農薬の製造へも進出し、1953年には熔成燐肥の製造を行うための村上工場も新設されました。1970年代に入ると、さらなる成長を示し、日本国内外での合弁事業を通じて新たな市場にも展開していきました。特に、1985年には三井東圧化学とラサ工業との共同で協同燐酸有限会社を設立し、1992年にはケイ酸ナトリウムの製造を行う京葉ケミカル株式会社を設立しています。

主な製品

同社は、リン酸、ホスフィン誘導体、リン酸エステルなどのリン化合物だけでなく、ケイ酸ナトリウムや無水クロム酸、工業用バリウム化合物といった多様な製品を展開しています。特にリン酸の製造に関しては、ラサ工業と共同で黄リンを原料とした乾式法を採用しており、他の企業とは異なる方法で競争力を持つ製品を提供しています。また、近年ではホスフィン遷移金属錯体を用いた抗癌剤の研究にも力を入れており、医療分野への貢献も視野に入れています。

六価クロム鉱さい問題

1973年に発生した東京都による小松川工場跡地の買収後、大量のクロム鉱さいが埋め立てられていた事実が隠れていたことが判明しました。この問題は、1986年に和解が成立し、処理地が設置されるなどの対応がなされました。現在も東京都は周辺環境の測定を行っており、問題の影響が続いていることを踏まえた監視が必要とされています。

事業所

本社は江東区に位置しており、福島の複数の工場や愛知、山口など国内各地に拠点を持っています。これにより、製品の供給体制や生産効率を高めています。

日本化学工業株式会社は、歴史的な背景を持ちながらも、現在進行形で進化を続ける企業です。持続可能な発展に向けた努力や新たな技術の開発は、今後の化学業界にとっての貴重な資源となるでしょう。

もう一度検索