日本卸電力取引所

一般社団法人日本卸電力取引所について

一般社団法人日本卸電力取引所（JEPX）は、日本における電力取引をスムーズに行うためのプラットフォームです。この取引所は、現物取引やさまざまな先渡取引を取り扱い、電力市場の発展を目指しています。具体的には、電力の生産から消費に至るまでのプロセスを効率化し、参加者にとって信頼性の高い取引環境を提供しています。

市場の種類

JEPXは複数の市場を運営しており、それぞれ異なるニーズに応じた取引を行っています。主な市場は以下の通りです：

• - 一日前市場（スポット市場）: 翌日の電力供給を約束する市場で、取引は30分ごとに48回に分けて実施されます。取引単位は0.1MWで、価格はkWhあたり0.01円の刻みで設定されています。

• - 当日市場（時間前市場）: 取引は供給の1時間前まで可能で、発電のトラブルや予想外の需要急増に対応するための市場です。

• - 先渡市場: 異なる受け渡し期間（1年、1ヶ月、または1週間）で取引され、将来の価格変動に備える手段として利用されます。

• - 間接送電権市場: 電力の送電に関する権利を取引する市場です。

• - ベースロード市場: 長期間にわたり一定量の電力量を固定価格で契約することができる市場で、主に再生可能エネルギーの取引が行われます。

• - 掲示板市場: 分散型の電力取引を促進するための仕組みを提供し、特にグリーン電力の売買を行います。

• - 非化石価値取引市場: 環境に配慮した電力取引を推進するための専用市場です。これにより、持続可能なエネルギーの普及が目指されています。

沿革

般社団法人日本卸電力取引所は、2003年に日本国内での卸電力市場創設のための報告を受け、同年の11月に設立されました。2004年には取引会員の募集が始まり、2005年4月1日からは実際の電力の現物取引がスタートしました。これ以降も市場は拡大し、2008年にはグリーン電力の卸取引、2009年には先渡市場や時間前市場の取引が開始されました。2012年には分散型・グリーン売電市場も導入されました。

2009年には公益法人制度の改革を受けて一般社団法人に移行。2016年には政府の指定法人として指定され、さらにさまざまな新市場（非化石価値取引市場、間接送電権市場、ベースロード市場）が設立されるなど、取引所の機能が強化されてきました。

取引会員

JEPXで取引を行うには、取引会員または特別取引会員（一般送配電事業者）に登録する必要があります。2024年8月現在、取引会員数は319社に上ります。主要な会員には、北海道電力、東京電力、中部電力、関西電力などの電力会社や、東京ガス、大阪ガス、丸紅などの企業が名を連ねています。取引は、これらの会員を通じてのみ行われるため、電力の購入や売却には会員の存在が重要です。

参考情報

日本卸電力取引所は、日本の電力市場の発展と利用者の利益を守るため、透明性のある取引を促進しています。関連機関として、電力広域的運営推進機関（OCCTO）や電力・ガス取引監視等委員会などがあり、これらの機関と協力しながら市場の健全な運営を図っています。

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