日本原子力発電

日本原子力発電株式会社の概要

日本原子力発電株式会社（JAPC）は、1957年に設立された日本の電気事業者で、茨城県那珂郡の東海村と福井県敦賀市に原子力発電所を持っています。設立の背景には、当時の電力業界において商業用原子力発電を導入する思惑があり、多数の電力会社からの出資が行われたことがあります。この会社は一般に原電（げんでん）または日本原電（にほんげんでん）と呼ばれています。

この会社の創立は、電気事業の発展を目指した電力会社9社の共同の努力から生まれました。これにより、原子力を民間企業が主導する形で開発することが期待されました。ただし、国が主導する開発に対しても意見があり、経済企画庁長官の河野一郎が政府の力による取り組みを支持する意見を表明し、対立する状況も見られました。最終的には、電力会社の出資（80%）と電源開発の出資（20%）によって設立され、原子力発電の推進を図りました。

沿革

日本原子力発電の設立は、1957年11月1日でした。以来、徐々に発展を遂げ、1960年には東海発電所の建設工事が開始され、1966年には敦賀発電所の建設工事も始まりました。その後、1970年には敦賀発電所1号機の営業運転が始まり、1978年には東海第二発電所が稼働を開始しました。

1980年代に入ると、敦賀発電所1号機において給水加熱器の問題が発生し、一時的に運転が停止する事態がありましたが、その後、正常運転を再開しました。また、1987年には敦賀発電所2号機も営業運転が開始されました。

1990年代に入り、1998年には東海発電所1号機が営業運転を停止し、2001年には廃止措置に着手しました。その後、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震によって、特に東海第二発電所が影響を受けたことも記憶に新しいです。

会社組織と関連団体

日本原子力発電は含まれた企業グループを構成しており、例えば原電エンジニアリング株式会社が1989年に設立されています。また、リサイクル燃料貯蔵株式会社や公益財団法人のふれあい茨城財団、ふれあい福井財団も関連しています。

不祥事

この会社は過去にいくつかの不祥事が報告されています。2007年には、データ改竄問題が発覚し、経済産業省に提出した報告書において15項目の不正が見つかり、謝罪を行いました。同年には、技術情報が私有パソコンから流出する事件もありました。さらに、2009年には産業廃棄物として放射性廃棄物が混入したドラム缶の問題が指摘され、2018年には副社長の発言が物議を醸しました。

近年では、2020年に敦賀原子力発電所の地質データに関する書き換え問題が報告され、原子力規制委員会からも厳しい批判が寄せられました。

まとめ

日本原子力発電株式会社は、商業用原子力発電の発展に寄与してきた企業であり、幾度かの困難を経験しつつも、日本のエネルギー分野で重要な役割を果たしています。今後も、原子力発電所の安全性や環境への配慮を求められる中で、さらなる進展が期待されています。

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