日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定

日本国と大韓民国間の協定

日本に暮らす大韓民国国民に特化した法的地位や待遇を取り決めた「日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する協定」は、1965年に締結され、1966年から施行されました。この協定は在日韓国人の法的位置づけを明確にし、特に長期にわたり日本に居住している韓国籍保持者に特別な永住許可を与えることを主な目的としています。

協定の目的と条件

この協定は、1945年8月15日以前から日本に住んできた韓国籍保持者を対象にしており、協定発効後5年以内に申請を行うことで「協定永住」という形の永住権が得られました。協定永住は、通常の永住許可とは異なり、法令に基づいた自動付与ではなく、申請する必要があります。さらに、5年経過後に協定永住を有する者の子も、出生後60日以内に申請することで同じくこの地位を得ることができます。

これにより、協定永住者は重大な犯罪を犯さない限り、退去の強制を受けない優遇措置を享受できます。これに対し、他の在留外国人は、入管法第24条の適用を受けるため、より厳しい条件が課せられています。加えて、協定は日本で出生した直系卑属の居住に関しても、大韓民国政府の要請に応じて25年間協議を行う旨が記されています。

法的経緯

この協定を実施するために、1965年には「出入国管理特別法」が制定され、その翌年から施行が開始されました。本法は、協定の内容を具体化し、韓国国民の日本における滞在を円滑にするための制度を構築しました。

特別永住者制度の登場

しかし、この協定の構造には問題が見られ、特に1980年代後半に入ると、協定永住の権利が世代を超えて引き継がれないことが問題視されるようになりました。既に得られた協定永住はその子に限られ、孫以降は入管法に基づく通常の永住許可しか進呈されなかったため、世代間で不公平が生じていました。これを受けて日韓両国の政府間で新たな協議が行われ、1991年に「日韓法的地位協定に基づく協議の結果に関する覚書」が交わされました。

この議論は、孫以降の世代における解決策と、他の族籍を持つ在留者の待遇改善に関する内容も含まれました。その結果、1991年11月1日には「特別永住者」制度が導入され、この制度は韓国国籍者にとどまらず広範な適用を受けることとなったのです。協定永住者や他の類似の在留者の資格も、この特別永住者に一本化されていきました。

現在の位置づけ

このように、日本と大韓民国との間の協定は、日本国内の韓国籍保持者の法的地位を確立し、進化させていく過程で重要な役割を果たしてきました。その後の法改正や制度の変化は、在日韓国人がより良い居住環境と権利を持つための重要なステップといえるでしょう。特に、これまでの歴史を通じて形成されてきた日韓関係は、今後も多くの課題を含んでいるものの、法的枠組みの確立を通じて前進しています。

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