日本城郭協会

公益財団法人日本城郭協会：日本の城郭研究を牽引する団体

公益財団法人日本城郭協会は、日本の城郭に関する研究、調査事業を世界規模で展開する公益法人です。東京都杉並区に本部を置き、文部科学省の所管団体として、長年にわたって日本の城郭研究に貢献しています。

協会の活動

日本城郭協会の主な活動は、城郭に関する調査研究です。歴史的な城郭の構造や歴史、文化的意義などを多角的に研究し、その成果を広く社会に発信することで、城郭保存・活用への理解を深めることに尽力しています。近年では、国際的な視点を取り入れ、海外の城郭研究にも積極的に取り組んでいます。

顕彰活動

2022年には、城郭に関する顕著な功績を称える「日本城郭協会賞」を創設しました。毎年4月6日（城の日）に受賞者を発表し、城郭研究や保存活動への更なる貢献を促しています。この賞は、城郭研究者だけでなく、城郭保存活動に関わる地域住民や団体なども対象としており、城郭保存への機運を高める役割を担っています。

組織

協会は、評議員会、監事、理事などの役員によって運営されています。設立以来、多くの城郭研究の第一人者が役員として携わり、協会の活動を支えてきました。現評議員には、城郭研究の第一線で活躍する著名な研究者らが名を連ねています。

歴史

日本城郭協会は1956年4月に設立され、1967年には文部大臣の認可を受けて財団法人となりました。設立当初から、城郭研究者や歴史家、建築史家など、多様な専門家の協力を得ながら活動を展開してきました。

設立当時の役員には、井上宗和氏（城郭学者）や鳥羽正雄氏（東洋大学教授・日本史）、藤岡通夫氏（東京工業大学教授・建築史）といった著名な研究者らが名を連ねていました。これらの研究者たちは、日本の城郭研究の礎を築き、後の世代の研究者たちへ大きな影響を与えました。

学生研究会

1961年には、学生会員によって「日本城郭協会学生研究会」が結成されました。城の見学会や中世城郭の発掘調査などを通して、若い世代の城郭研究を育成する役割を担っていました。その後、日本城郭学生研究会として独立しましたが、昭和40年代半ばに活動は停止しました。しかし、1971年にはOBらによって再建され、中世城郭研究会として活動を継続しています。

関連団体

日本城郭協会は、国内外の城郭関連団体と連携し、情報交換や共同研究などを積極的に行っています。例えば、ドイツ城郭協会（1899年設立）やスイス城郭協会といった海外の団体との交流を通して、国際的な城郭研究ネットワークの構築にも貢献しています。

今後の展望

日本城郭協会は、今後も城郭に関する研究調査を継続するとともに、その成果を広く社会に発信することで、日本の城郭文化の継承と発展に貢献していきます。特に、近年注目を集めているデジタル技術を活用した研究や、国際的な研究交流の更なる促進に力を入れていく予定です。日本の城郭文化を未来へ繋ぐため、日本城郭協会の活動は今後も重要な役割を担っていくでしょう。

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