日本基督教団福島教会

日本基督教団福島教会は、福島県福島市に所在する日本基督教団に所属する教会です。その起源は1886年5月23日に押川方義と吉田亀太郎によって始められた伝道活動に遡ります。同日、自由民権運動家として知られる鐸木三郎兵衛が洗礼を受け、これが教会設立の重要な転機となりました。

当初、鐸木が経営する薬種商「伊勢屋」の一部を借りて「福島耶蘇教講義所」が設けられました。その後、日本基督一致教会に加入し、同年10月には横浜バンドの藤生金六が初代牧師として着任しました。藤生牧師の後任には綱島佳𠮷が赴任しましたが、一致教会と組合教会の合同問題が持ち上がり、教会は一時的に混乱し、3年間牧師不在の状態が続きました。しかし、この間、信達教会の和田肇が教会の運営を支えました。

1897年には、組合教会の渡瀬常吉が牧師として赴任し、教会の発展に尽力しました。そして1903年には、日本基督教会中村教会から城生安治が赴任し、1943年11月20日に亡くなるまでの40年間にわたり牧会を続け、教会の基礎を築き上げました。城生牧師の長期にわたる献身的な働きは、教会の歴史において特筆すべき事柄です。

1909年12月26日には、著名な建築家であるW・M・ヴォーリズの設計による会堂が建設されました。この会堂は、その美しい建築様式から登録有形文化財に指定されました。しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災によって会堂は甚大な損傷を受け、修復費用が大きな負担となることから、残念ながら取り壊されることとなりました。

日本基督教団福島教会は、設立から100年以上にわたり、地域の信仰の中心としての役割を果たしてきました。震災で会堂は失われましたが、教会の歴史と精神は、今もなお受け継がれています。

参考文献
『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年

関連項目
東日本大震災による各種施設の被害

外部リンク
* 日本基督教団福島教会のホームページ

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