横浜バンド

横浜バンドの概要

横浜バンドは、日本基督公会のメンバーによって1872年に設立されたものであり、キリスト教の発展に大きく寄与しました。このバンドは、アメリカから来た宣教師たち、特にジェームス・ハミルトン・バラ、サミュエル・ロビンス・ブラウン、そしてジェームス・カーティス・ヘボンなどの指導のもと誕生したものです。

経緯

1859年、アメリカ長老派教会からのジェームス・カーティス・ヘボン夫妻と、オランダ改革派からサミュエル・ロビンス・ブラウンが神奈川に到着しました。その翌年には同教派のジェームス・ハミルトン・バラが横浜に着任しましたが、その当時はキリスト教が禁止されていたため、彼らは公然とした伝道活動を行うことができませんでした。そこで、彼らは日本語を習得するための塾を開き、日本人青年への教育を通じて信仰の広がりを図りました。

この門下からは、多くの優れた人材が輩出され、特に島田三郎、植村正久、押川方義などの人物が教会活動を担うことになりました。さらに、1864年にはバラに日本語を教えていた矢野元隆が洗礼を受け、信仰が深まっていきました。

1971年の年末には、横浜に住む外国人たちが集まり、福音同盟会が提唱した初週祈祷会が開催されました。1882年の初め、最初のプロテスタント教会が横浜に設立され、その日、9名の初めて洗礼を受けた信者たちがバラから洗礼を受けました。こうして、11人の信者によって横浜バンドが形成されたのです。

この横浜バンドは、無教派主義を掲げながらも、実際には改革派教会と長老派教会の合同による教会でありました。バンドの精神は、後に加わった植村正久によって引き継がれ、日本における公会主義の理想像となることになります。

主要メンバー

横浜バンドのメンバーには、外国人宣教師と日本人信徒が存在しました。主な外国人には、次のような人物が含まれています:

• - J・C・ヘボン
• - S・R・ブラウン
• - J・H・バラ
• - メアリー・キダー

日本人信徒としては、以下のような人々が名を連ねました:

• - 島田三郎
• - 植村正久
• - 押川方義
• - 井深梶之助
• - 奥野昌綱
• - 他多数

その後のバンド

その後、横浜バンドは熊本バンド、札幌バンドと共に「三大バンド」として広く知られ、その他にも多くのバンドが形成されました。例えば、静岡バンド（デイヴィッドソン・マクドナルドの弟子）、弘前バンド（弘前公会）、阪神バンド（大阪公会と神戸公会の統合称）など、様々な派閥が存在します。

参考文献

1. 小野静雄『日本プロテスタント教会史・上』聖恵授産所出版部、1986年
2. 徳善義和・今橋朗『よくわかるキリスト教の教派』キリスト新聞社、1996年
3. 中村敏『日本における福音派の歴史（もう一つの日本キリスト教史）』いのちのことば社、2000年

横浜バンドは、日本のプロテスタント教会の発展において重要な役割を果たし、現在もその影響は引き継がれています。

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