日本基督教短期大学

千葉県千葉市稲毛区にその本部を置いていた日本基督教短期大学（にほんきりすときょうたんきだいがく、略称: JCJC、英語: Japan Christian Junior College）は、1951年に創設され、2009年に閉校した私立短期大学です。

概要

プロテスタントの一派であるナザレン教会の教義に基づいて設立されたこの短期大学は、当初は「聖書農学園短期大学」として開学しました。設置主体は時代と共に変遷し、最終的には学校法人日本ナザレン・カレッジが運営を担いました。開学時から2学科体制を維持し、学科構成自体に変化はありませんでしたが、時代のニーズに合わせて学科名称や入学定員は改訂されました。

沿革

本学の歴史は、1946年の学校法人聖書農学園設立に始まります。1950年 10月には短期大学設置の認可申請が行われ、翌1951年3月に学校法人が成立、同年4月1日に神学科（入学定員30名）と英文科（入学定員15名）の2学科体制で聖書農学園短期大学として開学しました。1957年 3月1日には校名を現在の日本基督教短期大学に改称。学舎は1963年 10月に現在の千葉市小深町へと移転し、1964年 4月1日には設置主体が学校法人日本ナザレン・カレッジに変更されています。

その後の学科の動きとしては、英文科の入学定員が段階的に増加し、1982年には60名、1987年には100名、1991年には150名となりました。一方で、神学科は1992年 4月1日にキリスト教学科へと名称を変更。2000年 4月1日には英文科も英語コミュニケーション学科に改称され、同時に定員が100名に減員されました。しかし、少子化などの影響もあり、2006年度の入学生を最後に学生募集を停止。そして、2009年 10月30日、文部科学省の正式な認可を経て短期大学としての役割を終え、廃止されました。

教育と特色

日本基督教短期大学の教育における特筆すべき点は、独自の英語教育と宗教系学科の存在でした。英語教育においては、アメリカ合衆国にある姉妹校、ポイント・ロマ・ナザレン大学の教育システムを導入。この試みは日本国内では初めての取り組みとして注目されました。また、キリスト教学科（旧神学科）は、全国の短期大学を見渡しても数少ない学科であり、将来ナザレン教団の牧師を目指す学生のために、上級学校である日本ナザレン神学校への進学ルートが明確に用意されていました。

学風は創設の精神に基づき、キリスト教主義が色濃く反映されていました。授業の一環として「チャペルアワー」が設けられ、学生が信仰や倫理について学ぶ機会が提供されていました。カレッジマークもキリスト教の象徴である十字架をモチーフにしたデザインでした。

教員養成課程も設置されており、英語コミュニケーション学科（旧英文科）では中学校教諭二種免許状（英語）の取得が可能でした。開学当初は高等学校教諭免許状（英語）や、神学科における宗教科の教員免許課程も存在していました。

学生生活と施設

学生たちは、宗教やTOEFL対策などの文化系クラブに加え、多様な体育系クラブ活動に参加することができました。学内には女子学生を対象とした学生寮も設置されており、遠方からの学生や希望者が利用していました。

対外関係

国際的な連携としては、アメリカのポイントロマ・ナザレン大学との協定がありました。また、キャンパスはメディアでも利用され、テレビドラマ「高校教師」（1993年および2003年版）において、架空の学校である日向女子高等学校のロケ地として使用されています。

卒業後の進路

卒業生の進路は、学科によって異なる傾向が見られました。英語コミュニケーション学科の卒業生は、千葉銀行、ソニー、そごう、東京電力、丸井といった多岐にわたる一般企業へ就職するケースが多くありました。一方、キリスト教学科の卒業生は一般企業への就職に加え、設立母体であるナザレン教団の牧師やその他の宗教家としての道を選ぶ者も少なくありませんでした。また、四年制大学への編入学を希望する学生もおり、駿河台大学、明海大学、城西国際大学、帝京大学、明治大学といった大学への進学実績が見られました。

日本基督教短期大学は、短いながらもその歴史の中で、特色ある教育と地域社会との関わりを持ち続けた短期大学でした。

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