日本大学理工学部旧1号館

日本大学理工学部旧1号館の歴史と特徴

日本大学理工学部旧1号館は、1928年に日本大学の設計に基づき建設された重要な建築物です。この建物は、株式会社新工務所によって施工されましたが、そのデザインにはゴシック様式とルネサンス様式が見事に融合されています。特に、ゴシック様式の特徴であるポインテッドアーチや直立した柱のラインと、ルネサンス様式でよく見られる水平線を強調するスカイライン装飾帯が取り入れられた点が印象的です。

旧1号館の外壁は、その竣工時に白タイルで施され、洗練された美しさを持っていました。しかし、その外観は時の流れとともに変化を遂げました。特に、1968年から1969年にかけて発生した日本大学の学生運動、一般に「日大紛争」と呼ばれる一連の事件によって、外壁の茶色タイルは大きな損傷を受けました。その後、修復が施されましたが、旧1号館の歴史を物語る品々が残されています。

2000年には、歴史的な旧1号館が解体されることになり、この建物で72年にわたり理工学部の歴史を刻んできた設計思想は、新1号館に引き継がれました。解体された旧1号館の正面玄関にあたるポインテッドアーチは、新1号館の入り口ホールに保存展示されており、訪れる人々に当時の面影を伝えています。

旧1号館の略歴

• - 1928年（昭和3年）: 工学部1号館として竣工。
• - 2000年（平成12年）: 旧1号館の取り壊しが行われ、新たに理工学部の新1号館が建設。

このように、旧1号館は日本大学の工学部の歴史において重要な役割を果たしました。建物の外観や設計に込められた思想は、今日の新1号館にも脈々と受け継がれ、歴史を大切にしながら新たな教育の場を提供しています。

終わりに

日本大学理工学部旧1号館は、単なる教育施設ではなく、建築様式の融合としても称賛されるべき対象です。その歴史を知ることによって、現代の学び舎に込められた伝統や価値観を再認識することができます。新1号館として生まれ変わった今も、旧1号館の遺伝子はこの場に息づいているのです。

もう一度検索