日本対外文化協会

日本対外文化協会について

日本対外文化協会（にほんたいがいぶんかきょうかい）、略称対文協は、1966年に設立された団体で、旧ソ連や東ヨーロッパ諸国との友好を深めることを目的としています。設立の背景には、ソ連政府の提案があり、日本社会党と元東海大学総長である松前重義が中心となって活動を開始しました。現在の会長は松前重義の長男である松前達郎が務めています。

設立の経緯

1964年、日本社会党の成田知巳書記長が団長となり、ソ連を訪れた際に、フルシチョフ党第1書記や党幹部と会談が行われました。この会談において、ソ連側は「日ソ間でさらに広範囲な学術・文化交流を進めてはどうか」との提案を行い、国民間の相互理解を深めるためには文化交流が重要であるとの認識が共有されました。ソ連側は、日本にも同様の組織を設立することを提案し、その実現に向けた動きが始まりました。

この訪問団が帰国後、当時の河上丈太郎委員長に報告したところ、松前重義を組織の代表として任命する提案がされました。そして、1996年1月10日、東京都港区のホテルオークラで設立総会が開かれ、松前が会長に就任し、松本七郎が理事長に選抜され、さまざまな文化交流活動を展開していきました。

交流活動と功績

日本対外文化協会は、日ソ友好議員連盟や日ソ親善協会、日ソ交流協会、日ソ貿易協会など、他の5つの団体とともに1979年から1988年まで「日ソ円卓会議」を開催してきました。これにより、両国間の文化的なつながりを深め、学術や貿易等、さまざまな分野での交流促進を図っています。

一方で、このような「対日友好」が共産主義国における対日工作の一環とされ、特にソ連の国家保安委員会（KGB）による利用が懸念されることもありました。アメリカに亡命した元KGB工作員のレフチェンコは、日本対外文化協会の事務局長だった杉森康二（三名・コードネームはサンドーミル）について言及し、KGBのエージェントとしての活動を指摘しています。

役員構成

現在の主な役員として、会長は松前達郎（東海大学総長）、副会長には石原萠記（自由社社長）、後藤亘（株式会社エフエム東京会長）、星野力男（株式会社ナカヨ通信機取締役相談役）が名を連ねています。また、理事長は松前達郎が兼任としています。

まとめ

日本対外文化協会は、日ソ間の文化交流を通じて、両国の友好関係を深めることを目指して活動している団体です。設立以来、さまざまな交流事業を展開し、ソ連との関係を築く一方で、その背景には政治的な要因も垣間見えるなど、複雑な側面を持っています。しかし、文化交流を通じた相互理解の重要性は今も変わらず、引き続きその活動が期待されています。

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