成田知巳

成田知巳について

成田知巳（なりた ともみ、1912年9月15日 - 1979年3月9日）は、日本の政治界において重要な役割を果たした政治家です。彼は衆議院議員を長年勤め、日本社会党の政策審議会長や書記長などを歴任しました。成田は香川県高松市に生まれ、肥料商を営む家庭に育ちました。彼は旧制高松中学からその後第四高等学校、そして東京帝国大学法学部へ進学し、卒業後は三井鉱山に入社します。その後1943年には三井化学に転職し、文書課長へと昇進しました。

彼の政治キャリアは1946年の総選挙に始まりますが、その時は無所属で立候補し落選。しかし、翌1947年には社会党から出馬して当選し、その後は衆議院議員として連続12回の当選を果たしました。社会党内では鈴木茂三郎派に属し、1955年には社会党が統一されると総務局長に就任。1960年には政策審議会長に任命されました。

構造改革派としての成田

成田は江田三郎書記長の構造改革論に賛同し、彼と共にマスコミの注目を浴びるようになります。1962年には江田が書記長を辞任するとその後を引き継ぎますが、次第に右派へ接近する江田とは異なり、成田は左派的な立場を堅持し続け「闘う構造改革」を掲げました。1964年には社会党の導入すべき原則を指摘し、成田三原則を提唱しましたが、具体的な解決策を提示することはできませんでした。

社会党委員長としての活動

1987年の東京都知事選挙では、美濃部亮吉を成功裏に擁立し、社共両党からの推薦を得て初当選を果たしました。その後の臨時総会では、健康保険法改正案を巡っての対立により、成田は書記長を辞任します。1968年には社会党の委員長に就任し、江田三郎を新たな書記長に指名します。この人事は当時、「逆子人事」として話題になりました。

しかし、党内の状況は厳しく、1974年には党派間の対立が顕在化し、成田はその対立を抑えるためのリーダーシップを十分に発揮することができませんでした。彼の委員長時代は地方自治体で革新派が誕生する一方で、社会党自身の基盤が疲弊していく時期でもありました。

成田の晩年と死去

1977年には参院選の敗北を受けて委員長職を辞任。その後、1979年に白血病により66歳で死去しました。彼の追悼演説は同年4月に大平正芳によって行われました。成田の政治活動は、三里塚闘争や空港建設反対運動への支持を含む多岐にわたり、影響力を持ち続けました。

まとめ

成田知巳は、日本政治の中で重要な存在感を示した政治家であり、社会党内部での改革を目指し続けました。その活動は今もなお評価されています。彼の名は成田空港関連の資料展示などでも確認できるでしょう。

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