日本心理臨床学会

一般社団法人日本心理臨床学会について

一般社団法人日本心理臨床学会（The Association of Japanese Clinical Psychology）は、1982年に設立された、心理臨床に携わる専門家たちの連携を目的とした学術団体です。事務局を東京都千代田区に置き、心理臨床学の進歩と会員の資質向上、そして会員の身分安定を図ることを目指しています。

学会の概要

日本心理臨床学会は、心理臨床の発展に寄与するため、設立されました。2018年時点で、約3万人の会員を擁する国内最大の心理学系学会であり、その会員数は臨床心理学関連だけでなく、心理学全体で見ても最大規模を誇ります。

入会には厳格な基準が設けられており、大学院の心理学系専攻の修士課程修了者、大学院生、または専門機関での臨床経験が一定年数以上ある者のみが入会を許されます。さらに、既存の会員からの推薦も必要であり、高度な専門性が求められます。

この学会は、日本学術会議協力学術研究団体として、国の公的な学会としての側面も持っており、日本心理学諸学会連合にも加盟しています。これらの活動を通して、心理学研究と実践の両面で重要な役割を果たしています。

沿革

学会は、設立以来、以下のような歴史を歩んできました。

1982年：日本心理臨床学会設立
1984年：日本学術会議登録学術研究団体に登録
1991年：学会賞・奨励賞を創設
1999年：日本心理学諸学会連合に加盟
2001年：大学院生向け研修会を拡大
2005年：日本学術会議協力学術研究団体に指定
2009年：一般社団法人として登記、年次大会を分割開催
2011年：東日本大震災に対応し、心理支援センターを設立
2015年：事務所を移転

これらの変遷を通じて、学会は常に時代の要請に応じた活動を続けています。

活動内容

日本心理臨床学会は、以下のような多岐にわたる活動を行っています。

年次大会の開催（研究発表や総会）
機関誌、会報、広報誌の発行
研究会や大学院生向け研究集会の開催
優れた研究への顕彰と国際交流
会員の倫理と資質向上のための活動
心理臨床カリキュラムの検討
会員の身分安定のための活動
日常時および非常時における心理臨床活動の支援

これらの活動を通じて、会員の専門性向上と心理臨床の発展に貢献しています。

入会資格

入会資格は以下のいずれかに該当する必要があります。

1. 心理学または隣接分野の修士課程修了者
2. 心理学または隣接分野の修士課程在学中の大学院生
3. 心理学または隣接分野の学部卒業後、2年以上の臨床経験を持つ者
4. 8年以上の臨床経験を持ち、心理臨床学的業績が認められる者

専攻名は心理学に限らず、人間科学、児童学、特殊教育学なども含まれますが、心理学の知識が十分に証明できる必要があります。また、臨床経験は、学校、医療機関、相談所などの専門機関での実務経験に限られます。

学会賞

学会では、優れた研究を表彰するため、以下の賞を設けています。

日本心理臨床学会賞
日本心理臨床学会奨励賞

これらの賞は、心理臨床分野における研究の質を高める上で重要な役割を果たしています。

歴代理事長

学会の運営を担ってきた歴代の理事長に関する情報は、学会のウェブサイトなどで確認することができます。

刊行物

学会では、以下の定期刊行物を発行しています。

『心理臨床学研究 - Journal of Japanese Clinical Psychology』（年6回）
『日本心理臨床学会報』（年4回）
『心理臨床の広場』（年2回）
『Online Journal of Japanese Clinical Psychology』（英文）

これらの刊行物は、学会員の研究成果や活動内容を広く社会に発信する重要な役割を担っています。

関連情報

学会に関連する情報として、以下の事項が挙げられます。

臨床心理学、心理学に関する基本的な情報
日本の学会一覧
日本学術会議とその協力学術研究団体
臨床心理士に関する情報（資格や関連団体）

外部リンク

一般社団法人 日本心理臨床学会
* 臨床心理士関係4団体について

この学会は、心理臨床の発展と、専門家の育成、そして心理学研究の推進に不可欠な存在です。心理学に関心のある方、心理臨床の専門家を目指す方にとって、重要な情報源となるでしょう。

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