日本振興銀行

日本振興銀行株式会社の歴史

日本振興銀行株式会社（にほんしんこうぎんこう）は、2003年に設立された日本の銀行である。中小企業向けの融資を主軸とし、一般顧客に対する定期預金も専門に行っていた。金融庁の分類では「新たな形態の[[銀行]]」として扱われており、都市銀行と同じく、本庁直轄の監督を受けていた。

銀行の設立

日本振興銀行は、2003年に東京青年会議所の例会で木村剛が銀行設立の見込みを提案したことから生まれた。彼の発言を受けて、ノンバンク「オレガ」の落合伸治が20億円の資金を準備し、銀行設立準備に入った。多くのメディアに取り上げられ、設立計画が注目を集め、2004年4月に東京都千代田区に開業した。しかし、銀行設立初期から役員間での対立が続き、内部での混乱が生じた。

経営破綻とその理由

2010年9月、日本振興銀行は経営破綻を迎え、金融庁に対して破綻申請を行った。経営の悪化は、資産の状況悪化に加えて、一部役員の逮捕や業務停止命令が影響した。債務超過に陥り、経営を再建する手段がなくなったことから破綻が決定され、民事再生手続に入った。その後、金融庁と預金保険機構は、預金保護のために定額保護の制度を発動した。

清算と再生過程

2010年の破綻後、銀行は清算手続を進め、2012年には法人としての解散を決定した。銀行の資産は、一部が第二日本承継銀行に譲渡され、その後の債権回収により、徐々に資金が回収された。最終的には、2017年に法人が消滅し、清算が完了した。

社会的影響

振興銀の破綻は、関連企業や中小企業に深刻な影響を与え、破綻した企業のリストが公表された。この結果、関連する中小企業保証機構なども民事再生手続を申請し、波及効果は広がった。いくつかの企業は、振興銀行からの融資を受けていたため、その影響を大きく受けた。

結論

日本振興銀行は、短期間で奇抜なビジネスモデルを追求しながらも、様々な経営上の問題や外部からの圧力にさらされ、遂には破綻という結果となった。この銀行の歴史は、経営体制の重要性や金融機関の透明性の必要性を改めて浮き彫りにする事例として評価される。

本件を通じて、金融システムの健全性についての検討が進み、破綻処理の手続きや預金者保護の仕組みが再考される契機となった。

もう一度検索