日本文藝家協会

公益社団法人日本文藝家協会の概要

日本文藝家協会（にほんぶんげいかきょうかい）は、文芸を職業とする人々のために設立された公益社団法人です。事務局は文藝春秋ビル内に位置し、約2200名の会員で構成されています。会員には文芸家が含まれ、著作権の管理業務も行っています。

沿革

この協会は1926年に劇作家協会と小説家協会が統合する形で設立され、初代会長には小説家の菊池寛が就任しました。1942年には一度解散しましたが、1946年には再び活動を始めました。1948年からは理事長制度が導入され、1984年以降は会長職が廃止されました。1990年には永山則夫の入会拒否を巡って著名な作家たちが抗議のために脱会する事態が生じました。

この協会は文芸家の職能を支えることを主目的としており、政治的な主張は控えめです。主に文芸家の地位向上や言論の自由の保護、さらには収入や生活の安定を図るために活動しています。活動の一環として、文化活動や文学者の生活向上を目的とした取り組みも行っています。特に文芸美術国民健康保険組合に加盟しており、共同墓地「文學者之墓」も所有しています。

活動内容

著作権の保護については、特に保護期間の延長や再販売価格維持制度の存続を訴えることが多いです。2003年には著作権管理部を設立し、著作権保護のための活動を強化しました。また、文藝著作権センターを設立して啓蒙活動も行っています。2011年に公益法人改革によって公益社団法人となりました。

歴代会長・理事長

この協会の歴代の会長には、菊池寛や丹羽文雄などの著名な作家が名を連ね、理事長も多くの文学者が務めてきました。特に、丹羽文雄氏は長い間その職にあり、重要な役割を果たしました。

著作権問題への関与

日本文藝家協会は、著作権問題においても重要な立場を持っています。「著作者団体連合」に参画し、著作権保護に関する政策提言や社会的な活動も行っています。かつて設立された「著作権問題を考える創作者団体協議会」には、協会からも代表が参加し、中心的な役割を担いました。

文芸美術国民健康保険組合の設立

1953年には日本文藝家協会を中心に文芸美術国民健康保険組合が設立されました。この取り組みは、文芸や美術、映画、写真など様々な分野に従事する人々に社会保障制度を提供するものであり、先駆的な活動と評価されています。

出版物や関連項目

協会は毎年、様々な出版物を発行しています。「文藝年鑑」や「文学」など、多くの読者に支持されています。また、関連団体として全米作家協会や日本推理作家協会があります。

日本文藝家協会は、今後も文芸家や著作権の権利保護のために活動を続けていくことでしょう。

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