日本旅行作家協会

日本旅行作家協会：旅と文学を紡ぐ専門家集団

日本旅行作家協会は、旅行に関する執筆、編集、写真撮影、放送、翻訳、研究、広報など、多岐にわたる分野で活躍する専門家たちが集う団体です。1973年9月、30名の会員で発足し、現在では正会員約220名、観光関連事業者などを含む賛助会員も擁するまでに成長しました。

協会の活動と歴史

協会設立以来、旅行文化の振興と紀行文学の発展に貢献するため、様々な活動を行ってきました。会員は国や地域、専門分野ごとにグループを形成し、活発な交流と情報交換を行っています。

設立当初から会長を務めた斎藤茂太氏の逝去後、兼高かおる氏が会長を引き継ぎました。その後、2011年には創立メンバーの下重暁子氏が会長に就任し、現在に至ります。斎藤茂太氏の功績を称え、その遺志を継承するため、2016年には「斎藤茂太賞」が設立されました。この賞は、優れた紀行文学作品を表彰し、旅行文化のさらなる発展を促すことを目的としています。

協会の歴史を振り返ると、国別グループの発足（1979年）、インド親善旅行の実施（1987年）、記念パーティーの開催（1993年、2003年、2013年）、そして「ツアー・オブ・ザ・イヤー」や「ハービス旅大賞」といった賞の審査など、数々のイベントや事業が展開されてきました。

協会の組織と会員

協会は会長、副会長、専務理事、事務局長、常任理事、理事、評議員、顧問理事などからなる組織体制を有しています。現時点での役員は、会長に下重暁子氏、副会長に小谷明氏と中村浩美氏、専務理事に芦原伸氏、事務局長に八重野充弘氏が就任しています。

会員は、旅行作家、編集者、写真家、放送関係者、翻訳家、研究者、広報担当者など、多様な専門家から構成されています。それぞれの専門性を活かし、協会活動に貢献しています。会員による出版物も多く、旅行に関する様々な情報を提供しています。

会員による出版物

協会会員は多数の書籍を執筆しており、その中には旅行記、ガイドブック、エッセイなど様々なジャンルが含まれています。これらの書籍は、旅行者の計画を支援したり、新たな発見を提供したりするだけでなく、旅行文化の発展にも貢献しています。以下に、近年の会員による出版物の例を挙げます。

沖島博美：『プラハ旅物語』（東京書籍）、『ザルツブルク』（日経ＢＰ社）
中村浩美：『YS-11 世界を翔けた日本の翼』（祥伝社新書）、『日本全国飛行機旅行』（昭文社）
櫻井寛：『豪華寝台特急の旅』『三大大陸鉄道の旅』（世界文化社）、『今すぐ乗りたい！世界名列車の旅』（新潮社）
野田隆：『駅を楽しむ！テツ道の旅』（平凡社新書）、『乗りテツ大全　～鉄道旅行は３度楽しめ！』（平凡社新書）、『貯本日本』（ポプラ社）
池田健二：『フランス・ロマネスクへの旅』（中央公論新社）
渡辺秀子：『こんなに安くて楽しい『豪華客船』の旅2000～2007／世界のクルーズ旅行2008，2009，2010，2011，2012』（双葉社）
芦原伸：『さらばブルートレイン！』（講談社）、『ロシア一九九一、夏』
瀧澤信秋：『365日365ホテル 上』（マガジンハウス）
斎藤茂太：『モタさんの世界のりもの狂走曲』
下重暁子：『砂漠に風が棲んでいる』
八重野充弘：『埋蔵金伝説を歩く～ボクはトレジャーハンター』
田部井淳子：『山からの贈り物』

これらの出版物は、単なる旅行ガイドにとどまらず、それぞれの著者の視点や体験に基づいた、深く魅力的な内容となっています。

日本旅行作家協会賞

協会では、旅行文学に貢献した個人を表彰する「日本旅行作家協会賞」も授与しています。過去には、戸塚文子氏、兼高かおる氏、宮脇俊三氏、森本哲郎氏、三浦雄一郎氏、椎名誠氏など、著名な旅行作家が受賞しています。

日本旅行作家協会は、これからも旅行文化の発展に貢献し続けるでしょう。

もう一度検索