芦原伸

芦原伸（あしはら しん）氏は、1946年生まれの日本の紀行作家、ノンフィクション作家、そして編集者です。三重県で生まれ、京都府京丹後市に本籍を置く彼は、名古屋市で育ちました。名古屋市立菊里高等学校を経て、1965年に北海道大学へ入学、1970年には文学部露文科を卒業しています。

上京後は週刊誌記者などを経て、1972年に鉄道ジャーナル社編集部に入社。『旅と鉄道』の創刊期にはデスクとして活躍しました。その後、1976年にフリーランスライターとして独立。1979年には創作集団「グループ・ルパン」を主宰し、1982年には株式会社ルパンを設立、代表取締役社長に就任するなど、精力的に活動の場を広げていきます。

2007年には株式会社天夢人Temjinを設立し、代表取締役社長に就任。同社では会長・相談役を経て、2019年に退職しています。その間、2014年には『被災鉄道　復興への道』（講談社）で第40回交通図書賞を受賞するなど、高い評価を得ています。現在も日本旅行作家協会、日本ペンクラブ、日本文藝家協会会員として活躍中です。

芦原氏の取材範囲は国内にとどまりません。全国各地はもちろんのこと、海外取材では65ヶ国以上を旅し、その経験は彼の作品に豊かな色彩を与えています。著作は多岐に渡り、『旅はひとり旅』（朝日新聞社）、『ニューヨーク歴史紀行』（読売新聞社）、『渓流紀行 釣りと温泉』（東洋経済新報社）、『地球鱒釣り紀行』（新潮社）など、旅のエッセイから専門性の高い書籍まで幅広く執筆しています。

鉄道をテーマにした作品も多く、『さらば！ブルートレイン〜昭和鉄道紀行』（講談社）、『鉄道ひとり旅〜郷愁の昭和鉄道紀行』（講談社）、『鉄道シルクロード紀行』（朝日新聞出版）など、郷愁を誘うものから冒険的なものまで、様々な側面から鉄道の魅力を描写しています。また、西部劇をテーマにした『西部劇を読む辞典』（NHK生活人新書）、『西部劇を見て男を学んだ』（祥伝社）、『完全保存版　西部劇を読む事典』（天夢人）など、独自の視点から西部劇の魅力を深く掘り下げた作品も多数発表しています。

さらに、シルクロードをテーマにした『風街道 シルクロードをゆく』（ダイヤモンド社）、『シルクロード鉄道見聞録』（講談社）など、歴史と文化に触れる作品も彼の作品群の特徴となっています。編集者としての経験も豊富で、「歴史への招待」（日本放送出版協会）、「ファミリーアドベンチャー」、「アフリカ原色紀行」（朝日新聞MOOK）など、多数の書籍や雑誌の編集に携わっています。

『旅と鉄道』（天夢人発行、朝日新聞出版発売）、『SINRA』（天夢人発行、新潮社発売）といった雑誌の編集長も務め、出版業界においても重要な役割を果たしています。このように、芦原伸氏は作家、編集者として多方面で活躍し、日本の出版界に多大な貢献をしてきました。彼の作品は、旅の楽しさや発見、そして歴史や文化への深い理解を私たちに伝えてくれます。その幅広い知識と経験、そして情熱的な筆致は、多くの読者を魅了し続けています。

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