日本歯科技工士会

公益社団法人 日本歯科技工士会

公益社団法人日本歯科技工士会（にほんしかぎこうしかい、英語名称: Japan Dental Technists Association）は、日本の歯科技工士によって組織される、公益認定を受けた専門職団体です。歯科医療分野において重要な役割を担う歯科技工士の技能向上、知識普及、そして職能の確立と発展を主な目的として活動しています。

本会の歴史は、前身となる団体が1955年（昭和30年）に設立されたことに始まります。その後、1957年（昭和32年）に正式な法人格を取得し、組織基盤を確立しました。長年にわたり、歯科医療技術の進歩に対応しながら、国民の口腔保健に寄与するための活動を続けています。

公益社団法人として、その活動内容は多岐にわたります。最も重要な柱の一つは、歯科技工の専門性に関する国民への啓蒙および啓発活動です。歯科技工が単なるモノ作りではなく、歯科医師や歯科衛生士と連携し、患者一人ひとりの口腔機能回復や審美性の向上に貢献する高度な専門技術であることを広く知ってもらうための取り組みを行っています。

また、歯科技工士自身の専門能力の向上を支援するため、継続的な教育機会の提供や研修会の開催なども重要な活動です。技術革新が著しい現代において、最新の知識や技術を習得し続けることは、質の高い歯科技工を提供するために不可欠です。本会は、こうした学びの機会を通じて、会員のスキルアップを積極的にサポートしています。

さらに、歯科技工士の職能擁護および利益保護のための社会的な活動も展開しています。歯科技工士の労働環境や待遇改善に関する提言、関連法規に関する働きかけなど、専門職としての地位向上と安定した活動基盤の確保を目指しています。これは、質の高い歯科医療提供体制を維持する上で、歯科技工士が安心して業務に専念できる環境が不可欠であるという認識に基づいています。

本会への加入は、個々の歯科技工士の任意に委ねられています。2021年度末時点では、全国で約7200名の歯科技工士が会員として登録されています。これは、歯科医療界における重要な専門家集団として、その存在感を示しています。

団体の本部所在地は、東京都新宿区市谷左内町21番5号の日本歯科技工士会館に置かれています。ここを拠点として、全国の会員組織との連携を密にしながら、各種事業や運営が行われています。

歯科技工士の業務は、歯科医師による診断・治療計画に基づき、失われた歯の一部または全部を補うための義歯（入れ歯）や、被せ物（クラウン）、詰め物（インレー）、矯正装置などを製作・修理することです。この専門性の高い業務を通じて、歯科技工士は歯科医師や歯科衛生士といった他の歯科医療専門職と緊密に連携し、チーム医療の一員として国民の口腔健康の維持・増進に貢献しています。

関連する団体としては、歯科医師を代表する日本歯科医師会、歯科衛生士を代表する日本歯科衛生士会などが挙げられます。これらの団体とも連携を図りながら、日本の歯科医療全体の発展に寄与すべく活動しています。また、政治的な活動を行う日本歯科技工士連盟とも協力関係にあります。

公益社団法人日本歯科技工士会は、今後も歯科技工の専門性向上と国民への貢献を目指し、活動を続けていくことが期待されます。

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