日本民謡協会

公益財団法人日本民謡協会（にほんみんようきょうかい）は、日本の伝統音楽である民謡および民舞の保存、継承、普及、そして振興を主要な目的として活動する公益財団法人です。この組織は1950年6月24日に設立され、現在、東京都品川区南品川に本部機能を置いています。日本における民謡・民舞の分野においては、中心的な役割を担う代表的な存在として広く認知されています。

日本民謡協会は、その目的達成のために多岐にわたる主催事業を展開しています。年間を通じて開催される主な行事には、以下のようなものがあります。

津軽三味線コンクール全国大会
毎年4月に開催されるこの大会は、津軽三味線の演奏技術を競う全国規模のコンクールです。伝統的に東京・浅草公会堂を会場としており、多くの演奏家が集結して日頃の鍛錬の成果を披露します。

民謡民舞少年少女全国大会
次世代の育成に焦点を当てた大会で、毎年8月に開催されます。東京・きゅりあん（品川区立総合区民会館）を主な会場として、少年少女たちが民謡や民舞の技を競い合い、日本の伝統文化への理解と関心を深める機会となっています。

民謡民舞全国大会
協会の主催する大会の中でも特に規模が大きく、毎年10月に開催される主要な行事です。例年、東京の両国国技館を主な会場として使用していましたが、同館の改修工事期間中である2017年から2019年までは使用されませんでした。また、きゅりあんの改修期間中であった2022年と2023年には、神奈川県のカルッツかわさき（川崎市スポーツ・文化総合センター）を代替会場として開催されました。全国から集まった出場者が民謡や民舞の最高峰を目指して競い合います。

新春民謡ショー
年明けとなる1月に開催される恒例行事です。新年の幕開けを祝い、著名な民謡歌手や民舞家が出演する華やかなステージが繰り広げられます。

民舞の祭典
毎年9月に開催される民舞に特化したイベントです。様々な流派や団体の民舞が一堂に会し、その多様性と美しさを紹介します。

民謡SONIC
毎年2月に開催されるイベントで、江戸東京博物館ホールなどを会場としています。伝統的な民謡に新たな視点を取り入れたり、幅広い世代が楽しめるような企画が実施されることがあります。

これらの主催行事を通じて、日本民謡協会は民謡および民舞の技術向上、愛好家の交流促進、そして一般への普及啓発に努めています。また、関連する組織として日本郷土民謡協会などが存在し、日本の民謡界全体が様々な形で活動を展開しています。かつてNHKホールで開催されていた日本民謡フェスティバルも、民謡振興の一つの取り組みでした。

情報発信にも積極的に取り組んでおり、公式ウェブサイトを通じて協会の活動内容や主催行事の詳細を広く公開しています。さらに、X（旧Twitter）やYouTubeチャンネルなどのソーシャルメディアも活用し、より多くの人々に対して日本の民謡・民舞文化の魅力を発信しています。

公益財団法人日本民謡協会は、設立以来70年以上にわたり、日本の豊かな民謡・民舞の伝統を守り、次世代へと繋いでいくための重要な役割を担い続けています。

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