日本水力

日本水力株式会社の歴史と業績

日本水力株式会社は、大正8年に設立された日本の電力会社で、後に大同電力株式会社の重要な前身となりました。設立当初は発電・送電事業に加え、関連事業として硫安の製造も行い、電力供給を通じて産業の発展に寄与しました。

設立の背景

1919年10月10日、北陸電化株式会社と関西の電力会社大阪電灯、京都電灯との関係者が中心となり日本水力株式会社が誕生しました。この設立の背後には、大正時代の第一次世界大戦による電力不足がありました。関西地方での工業化の進展と需要の高まりに対し、電力供給が追いつかず、特に大阪では停電問題が頻発していました。

事業内容

日本水力の資本金は最初4400万円で、後に北陸電化との合併により5000万円に増資されました。また、日本水力は岐阜県北部から北陸3県を通り、京都および大阪への送電を計画しました。

北陸電化は1917年に設立され、福井県の九頭竜川で発電所を運営し、硫酸アンモニウムの製造も手掛けていました。日本水力はこの会社と合併することで、さらに事業を拡大しようとしましたが、経済的な困難に直面しました。

合併と変遷

日本水力は1920年に大阪送電および木曽電気興業との合併契約を結びました。これにより1921年2月、正式に大同電力株式会社が設立され、日本水力の事業は新会社に引き継がれました。この制作過程において、既存の電力供給網や水利権の一部が大同電力へと移行しました。

硫安工場と電力生産

日本水力は硫安工場をもっており、石灰窒素から硫酸アンモニウムを生産していました。この工場は、主要な電力源であった西勝原発電所から供給される電力を利用し、福井県内での農業や産業に利用される重要な事業となりました。

最終的な合併

日本水力が進めていた各種事業の多くは、大同電力として引き続き運営され、特に水利権に関しては北陸地方の発展に貢献しました。最終的に日本水力の設立背景や合併、そして後身の大同電力へとつながる企業の歴史は、日本の電力業界の発展において重要な役割を果たしたといえるでしょう。

日本水力の設立から合併過程に至るまでの歴史は、当時の経済状況や電力需要を反映しています。また、この歴史を通じて、当時の経済における電力業界の重要性や、企業の存続と発展のための合併という決断の重さを感じることができます。

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