日本海海戦紀念碑

日本海海戦紀念碑

福岡県福津市の大峰山自然公園内に位置する日本海海戦紀念碑は、戦争の歴史を伝える大切な記念物です。この碑は1934年に地元の獣医師、安部正弘の寄付と私費によって建設されました。碑が建てられた場所は、かつての戦場を見下ろす高台にあり、その意味深い立地が印象的です。高さ38尺（約11.5メートル）、幅5尺（約1.5メートル）、そしてマストは27尺（約8メートル）と、明治38年5月27日に起こった日本海海戦を象徴する数値に基づいて設計されています。

碑銘は著名な軍人、東郷平八郎によるものです。最初は「日露戦争戦勝記念」という銘文が提案されていましたが、東郷はこの表現が両国軍人の犠牲を無視するものであると感じ、代わりに「海戦紀念」という言葉を選びました。この応対によって、碑に込められた思いがより一層深まりました。

碑の正面には、銘文のほかに東郷のレリーフが配されています。また、「各員一層奮励努力」と記された銅板も目立つ存在です。側面から見ると、戦艦三笠の司令塔を模した大砲のレリーフがあり、そのデザインにも戦争の歴史と敬意が反映されています。

この紀念碑は、設計が福岡県土木部によって行われ、構造は鉄筋コンクリートで作られています。この頑丈な構造により、長い歳月を経てもなお、その姿を保っているのです。

また、安部正弘は1925年に海軍から沖島（旧名アプラキシン）を払い下げられ、公園下の海岸で公開していました。この艦は、1939年に供出され、その部材のいくらかが紀念碑のレリーフとして使用されています。

紀念碑へのアクセスも便利です。JR九州の鹿児島本線福間駅からは、西鉄バス5番津屋崎橋行きに乗り、終点で下車した後、徒歩で約21分の距離です。自家用車での訪問の場合、九州自動車道の古賀インターチェンジから約11キロメートルで到着可能です。訪問者のために駐車場も用意されています。

この日本海海戦紀念碑は、戦争の記憶を後世に伝えるための重要な文化財です。ぜひ訪れ、その歴史を感じてみてください。

参考文献

• - 九州産業考古学会編『福岡の近代化遺産』（弦書房）ISBN 978-4-902116-96-0

関連項目

• - 東郷神社 (福津市)

外部リンク

• - 日本海海戦記念碑 - クロスロードふくおか

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