日本理化学工業

日本理化学工業株式会社

日本理化学工業株式会社は、チョークなどの文房具・事務用品の製造販売を行う企業として知られています。しかし、同社が広く社会から注目を集める理由は、その積極的な知的障害者雇用への取り組みにあります。

概要

1937年に大山要蔵氏によって設立された日本理化学工業は、1960年から障害者雇用を開始しました。以来、半世紀以上にわたり、障害者雇用を継続しています。主力製品であるチョークは、かつて業界を牽引した羽衣文具に匹敵するほどの高いシェアを誇ります。近年では、羽衣文具が開発した蛍光色や色覚障害者対応チョークに対抗し、同社も同様の製品開発に力を入れています。

代表的な製品である「ダストレスチョーク」と、不二白墨製造所の「ダートレスチョーク」は、名前が似ていますが、それぞれ異なる特徴を持っています。「ダスト・レス」は粉が少ないことを、「ダート・レス」は汚れが少ないことを意味しています。

主な製品

ダストレスチョーク
ダストレスラーフル（黒板消し）
キットパス（固形マーカー）
ラインパウダー
工事現場向け耐水チョーク

沿革

1937年2月 - 東京都大田区蒲田にて設立
1960年3月 - 障害者雇用開始
1975年9月 - 全国初の心身障害者雇用モデル工場として川崎工場を開設

障害者雇用

1960年、都立青鳥養護学校（現・都立青鳥特別支援学校）の卒業生2名を正社員として雇用したことを皮切りに、日本理化学工業は継続的に障害者雇用を推進してきました。1975年には、全国初の心身障害者雇用モデル工場である川崎工場を開設。知的障害者の能力を最大限に活かすため、製造工程で使用する治具や作業手順に独自の工夫を凝らしています。

2023年現在、川崎工場では従業員47名中32名、美唄工場では従業員28名中22名が知的障害者であり、彼らは全員正社員として製造部門の中核を担っています。2013年6月時点での障害者雇用率は106.5%に達しています。

受賞歴

日本理化学工業は、障害者雇用における長年の貢献が認められ、数々の賞を受賞しています。

2004年 瑞宝単光章（社長 大山泰弘）
2010年 バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者内閣総理大臣表彰
2016年 第6回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞

テレビ番組・書籍

日本理化学工業の取り組みは、テレビ番組や書籍でも紹介されています。特に、知的障害者と共に働く喜びを描いた作品は、多くの人々に感動を与えています。

日経スペシャル カンブリア宮殿（2008年）
* 虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ（小松成美著）

まとめ

日本理化学工業は、単に文房具を製造する企業ではありません。障害者雇用を通して、社会に貢献し、働く喜びを追求する企業です。その独自の経営理念は、多くの企業にとって参考になるでしょう。

同社の歴史と取り組みは、2023年の24時間テレビでドラマ化され、多くの視聴者に感動を与えました。日本理化学工業は、これからも社会に貢献する企業として、その歩みを続けていくことでしょう。

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