日本社会事業短期大学

日本社会事業短期大学（にほんしゃかいじぎょうたんきだいがく）は、かつて東京都渋谷区原宿に本部を置いていた私立の短期大学です。その設置主体は学校法人日本社会事業学校でした。

この大学は、1950年に設立され、日本国内で最初に認可された短期大学149校の一つとして数えられています。開学から1962年に廃止されるまでの約12年間、「社事短」の略称で知られていました。英文名称としては、Nippon Shakai Jigyo Tanki Daigaku または Japan School of Social Work が用いられていました。

大学の大きな特徴は、当時まだ教育機関が少なかった社会福祉分野に特化した専門教育を提供していた点です。学科は社会事業科のみが設置されており、入学定員は開学当初から廃止まで一貫して80名でした。設置期間中に学科の増設や入学定員の変更は行われませんでした。

その歴史は、短期大学設立以前にさかのぼります。始まりは1946年10月7日、財団法人中央社会事業協会によって設立された「日本社会事業学校」です。その後、1947年3月31日には運営主体が財団法人日本社会事業協会へと組織変更され、これに伴い日本社会事業学校は廃止され、専門学校令に基づく「日本社会事業専門学校」が新たに設立されました。

短期大学への移行が進められ、1949年10月には文部省に対し、社会事業学科（定員80名）での短期大学設置認可申請が行われました。そして、1950年3月14日に文部省より設置が正式に認可され、同年4月1日、申請通りの学科体制で日本社会事業短期大学として開学に至りました。

開学後、1951年3月には、設置主体である財団法人日本社会事業協会が学校教育法に基づく学校法人日本社会事業学校へと組織変更されました。また、同年3月3日には、研究活動を行うための研究科が設置されています。学生募集は1957年度の入学生をもって終了となり、その後、1962年3月31日に短期大学はその歴史に幕を閉じ、正式に廃止されました。

大学の教育組織は社会事業科（入学定員80名）のみで、専攻科や別科はありませんでしたが、前述の通り研究科が置かれていました。卒業生は、中学校教諭二種免許状（社会）や高等学校教諭仮免許状（社会）を取得することが可能でした。これらの教員免許課程は、1953年11月に認可され、1955年度から設けられていたものです。さらに、保母（現在の保育士）資格を取得するための課程も設置されていました。

キャンパスは東京都渋谷区原宿に位置し、教育・研究活動を支える施設が整備されていました。1951年3月には「社会事業図書館」が設立されています。学生のための寮もあり、「松窓寮」と呼ばれていました。この寮は1951年4月に竣工し、1953年4月には新たな寮も設置されています。

卒業後の進路としては、社会事業科で学んだ学生の概ね大半が、その専門性を活かして社会事業の分野に従事していました。大学関係者や卒業生のための組織としては、最初の卒業生が出た翌月である1952年4月に同窓会「松窓会」が発足しています。また、研究紀要として『社會事業の諸問題:日本社會事業短期大學研究紀要』が刊行され、附属機関として1951年6月竣工の社会福祉事業職員研究所がありました。

日本における社会福祉教育の黎明期において、社会事業の専門職育成に貢献した日本社会事業短期大学は、約12年間の設置期間をもってその使命を終えました。

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