日本競輪選手会

一般社団法人日本競輪選手会の概要

一般社団法人日本競輪選手会（Japan Professional Cyclist Union、略称：JPCU）は、日本全国の競輪選手を会員とする組織です。この選手会は、1951年に設立され、競輪選手の権利を守るための活動を行っています。2022年7月時点での会員数は2,392名であり、理事長は安田光義氏がその職務を務めています。

組織の設立と目的

日本競輪選手会は、競輪の歴史と共に発展してきました。各地の競輪選手会を統合するために、1951年5月9日に『日本プロフェッショナル・サイクリスト連合』が設立されたのが始まりです。1952年4月には、社団法人日本競輪選手会として正式に発足し、選手の雇用や権利保護を目的とした活動を行っています。

この選手会は、全国36都道府県に支部を展開しており、全ての競輪選手はどれかの支部に所属しなければなりません。無所属の場合、競輪レースへの参加が認められないため、選手にとって選手会への加盟は重要な要件と言えるでしょう。

選手会の役割と権限

日本競輪選手会は、競輪選手に対し強い権限を持っており、事実上選手の雇用主としての役割を果たしています。退職金の支給額に関する権限を持つほか、選手に対する監視・指導の役割も担っています。また、競輪選手会は労働組合としての機能を果たし、選手の福利厚生や権利保護に努めています。

役員は理事長1名、専務理事1名、常務理事2名、常任理事8名、理事5名、監事3名から構成され、特に常勤役員は現役競輪選手の中から選出されています。これにより、選手の視点を反映した運営がなされることが期待されています。

競輪選手の融資制度

選手が加入する際、共済会にも加入する仕組みになっており、負傷や休業に対する補償が行われます。さらに、現役選手には上限30万円の無利子融資制度もあり、選手の金銭面でのサポートを提供しています。また、選手会は競輪とは無関係な独自事業を行い、得た収益を選手に還元しようとしています。

過去の事例と挑戦

選手会の歴史の中で、さまざまな出来事がありました。特に1960年には東京都や茨城県、岐阜県の選手が日本競輪選手会の全国統合に反対し、『全国競輪選手会』を設立した出来事が挙げられます。この対立は一時期続きましたが、1963年には両選手会が合併し、再び統一が図られました。

また、1989年にはKEIRINグランプリの開催中止という出来事があり、この際には選手会がファン無視の姿勢を取ったとして批判を浴びました。選手への二重制裁についても議論があり、一部の選手からは不満の声が上がっています。

まとめ

日本競輪選手会は、選手の権利を守る大切な役割を担っています。選手が公正に競争できる環境を整え、必要なサポートを提供するために活動を続けています。今後も競輪の発展と選手の福利厚生が望まれています。選手会の動向に注目が集まる中、競輪界全体の健全な成長が期待されます。

もう一度検索