日本精神神経学会

公益社団法人日本精神神経学会について

公益社団法人日本精神神経学会（Japan Society of Psychiatry and Neurology）は、精神医学と神経学の両分野の進歩を目指す学術団体です。東京都千代田区神田駿河台に本部を構え、2021年4月時点で18,000名以上の会員を有しています。この学会は、日本医学会の一部を構成しており、様々な事業活動に取り組んでいます。

主な活動内容

この学会の主要な活動には、精神科医向けの学術講演会の開催、学会誌『精神神経学雑誌』や関連書籍の発行、国際的な学術交流が含まれます。また、精神障害に対する社会的な理解を深めるための提言活動も行っています。近年では福島県立大野病院事件に対する調査や、自殺対策、性同一性障害についての意見発表など、社会的な課題にも積極的に取り組んでいます。特に、統合失調症の診断名の変更についても、その経緯を公式サイトで説明しています。

歴史と変遷

学会の歴史は1902年にさかのぼります。当初は「日本神経学会」として設立され、会員約200名で活動を開始しました。1935年には現在の名称に変更され、会誌も『精神神経学雑誌』と改名しました。その後1946年には社団法人に移行し、以降多くの重要な事件が学会の歴史に刻まれました。1961年には刑法改正問題を研究するための会議が設置され、1971年には前理事長に対する告発がなされるなど、学会内部での意見の相違が表面化しました。

1970年代には、精神科医療における不祥事や倫理に関する問題への対応が求められ、学会は積極的に議論を重ねました。1984年には宇都宮病院問題が注目され、これに対する見解が発表されました。1993年には精神分裂病の名称変更が要望され、2002年には『統合失調症』とする新しい名称が正式に決定しました。これにより、精神障害に対する社会的偏見の軽減を目指す一歩が踏み出されました。

現代における取り組み

公益社団法人として活動を開始した2013年以降、学会はさらなる透明性と社会的責任を持つことを重視しています。特に2024年には、旧優生保護法時代に行われた強制不妊手術について謝罪し、精神障害者の人権問題に対する取り組みを強化する方針を打ち出しました。この謝罪は、過去の不当な扱いを認識し、被害者への謝罪を含む重要なステップとして社会的に大きな意味を持ちます。

日本精神神経学会は、今後も精神医学や神経学の発展を促進し、社会における精神障害に関する理解を深め、人権の尊重を訴えていくことでしょう。

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