日本聖公会熊谷聖パウロ教会

日本聖公会熊谷聖パウロ教会

日本聖公会熊谷聖パウロ教会は、埼玉県熊谷市に所在する日本聖公会の教会で、礼拝堂と教会門が国の登録有形文化財に登録されています。この教会は、1882年に熊谷での伝道が開始され、1885年には日本人初の牧師である田井正一らによって説教会が開かれました。現在の教会堂は、1919年に建築家ウィリアム・ウィルソンの設計により建てられた総レンガ造りの建物で、主教ジョン・マキムによって聖別されました。関東大震災や第二次世界大戦の戦火を免れ、当時の姿を今に残しています。

歴史

1882年、熊谷での伝道活動が始まり、1885年には田井正一らによる説教会が開催されました。教会堂は1919年に竣工し、長きにわたり地域の信仰の中心として親しまれてきました。また、1908年には付属幼稚園が開園しましたが、1991年に83年の歴史に幕を閉じました。

建築

1919年に竣工した教会堂は、深谷産のレンガを使用したゴシック様式の建築です。平屋の単廊式会堂で、外壁には尖頭アーチ窓とバットレスが配置されています。南北の壁に設けられた三連窓は三位一体を象徴しています。東側の北端には鐘塔があり、下層は玄関ポーチとなっています。内装は、レンガの壁と木造のシザーストラスが特徴で、建物の構造美をそのまま見ることができます。屋根は創建当初は洋瓦でしたが、現在は日本瓦に葺き替えられています。設計は、立教大学礼拝堂や川越キリスト教会も手掛けた建築家ウィリアム・ウィルソンによるものです。建築面積は141平方メートルで、桁行は約16メートル、梁行は約7メートルです。

文化財

熊谷聖パウロ教会の礼拝堂と門は、1919年に建てられ、2005年11月10日に国の登録有形文化財に登録されました。

礼拝堂: 焼過レンガを効果的に用いた教会建築として、造形の規範となるものとして評価されています。登録名称は「日本聖公会熊谷聖パウロ教会礼拝堂」です。
門: 間口4.5メートル、内寸法2.2メートル。礼拝堂の玄関ポーチに対応した場所に位置し、東側に脇門があります。レンガ造りの門柱と柾立ての層が組み合わさった構造で、礼拝堂と合わせてレンガ積みの特徴が見られます。登録名称は「日本聖公会熊谷聖パウロ教会門」です。

祭祀

教会では、以下の礼拝が行われています。

聖餐式: 毎月第4日曜日を除く日曜日 午前10時30分から
御言葉の礼拝: 毎月第4日曜日 午前10時30分から

基本情報

所在地: 埼玉県熊谷市宮町1-139
アクセス: 熊谷駅から徒歩15分

参考文献

さいたま歴史遊学会『埼玉　歴史探訪ウォーキング』メイツ出版株式会社、2010年、ISBN 978-4-7804-0824-9
日本建築学会編 『総覧日本の建築　第2巻』 新建築社、1989年
熊谷市教育委員会 『熊谷市誕生10周年記念事業・熊谷市文化財ガイドブック』 熊谷市教育委員会、2016年
『埼玉新聞』2015年8月25日　「熊谷ルネッサンス　アートな文化財14　熊谷聖パウロ教会」

外部リンク

熊谷市ホームページ聖パウロ教会
日本聖公会熊谷聖パウロ教会礼拝堂 文化遺産オンライン
* 日本聖公会北関東教区熊谷聖パウロ教会

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