ジョン・マキム

ジョン・マキム(1852-1936)は、米国[[聖公会]]において重要な役割を果たした主教であり、宣教師でした。スコットランド系アメリカ人の彼は、1852年マサチューセッツ州で生まれ、グリスウォルド大学卒業後、ナショタ神学院で神学を学びました。母の影響もあり、宣教師としての道を歩むことを決意、1879年に司祭按手を受けます。

来日への道は、立教学校校長だったクレメント・ブランシェの帰国演説がきっかけでした。ブランシェの熱意と、クーパーによる日本伝道の報告を聞いて、マキムは日本への宣教を志すのです。1879年、米国[[聖公会]]から宣教師として任命され、翌1880年3月、妻と共に日本へ渡りました。

当初は大阪の照暗女学校(現・平安女学院)でチャプレンを務め、大阪や大和地方で活発な伝道活動を行いました。堺聖テモテ教会や奈良基督教会の設立にも携わっており、聖職活動のかたわら、奈良英和学校で教鞭をとるなど、教育にも尽力しました。

1893年には、日本[[聖公会]]の初代主教チャニング・ウィリアムズの跡を継ぎ、主教に就任します。東京、京都、関東地方など広範囲にわたる教会の創立、学校や病院の設立・発展に尽力しました。作曲家として知られる瀧廉太郎には、堅信礼を授けたという逸話も残っています。

教育への貢献も著しく、1893年6月から1935年11月まで立教学院の理事長を務めました。欧化の流行が終焉に向かい、米英聖公会からの資金援助が不足する厳しい状況の中、立教学校(現立教大学等の母体)の維持発展に尽力しました。特に、キリスト教教育を制限する文部省訓令第12号(1899年)に対処するため、アーサー・ロイドと共に当局との交渉を行い、宗教教育の継続、そして更なる拡充という成果を挙げました。その成果は米国[[聖公会]]にも報告され、更なる資金援助へと繋がりました。

1898年には、宮城県仙台市に婦人伝道師養成のための女学校を設立しました。この女学校は後に青葉女学院と改称され、保姆養成部を併設。米国コロンビア大学で幼児教育を学んだ教授陣による近代的な教育を実践し、東北地方唯一の保姆養成機関として、キリスト教主義幼稚園だけでなく、一般の幼稚園にも人材を供給しました。

1923年の関東大震災では、立教学院の建物が大きな被害を受けましたが、チャールズ・ライフスナイダーと共に復興に尽力しました。立教女学校(現・立教女学院)の建物も焼失しましたが、石井亮一やキャロライン・ヘイウッドらの協力を得て、現在の杉並区久我山に新校舎を建設しました。

1927年12月から1935年11月までは、聖路加女子学園(現・聖路加国際大学)の理事長も務めました。正教会のニコライ・カサートキン主教やセルギイ・チホミーロフ府主教とも親交があり、聖公会と正教会の関係強化にも貢献しました。ニコライ堂再建後の成聖式には、祭服を着て参加した記録が残っています。

神学博士号を取得し、オックスフォード大学やトリニティカレッジからも名誉学位を授与されました。日本政府からは勲三等瑞宝章を受章しています。1935年に日本を離れ、翌年ハワイで83歳で生涯を閉じました。彼の功績は、日本における聖公会発展の歴史に深く刻まれています。

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